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通常の手続きとは異なる方法で入学できる裏口入学なるものがありますよね。一方中国では、裏口入学できたと信じ込んだ20人あまりの若者が卒業直前に騙されたこと気付くという出来事があったと報じられています。

被害者の1人、張さん(仮名)は11年の大学受験に失敗。すると父親の知人が「武漢大学にコネがある」という陳(同)と名乗る男を父親に紹介した。「15万元(約300万円)払えば、必ず武漢大学に入学できる」と自信たっぷりに話す陳に、張さん親子は15万元を支払い、武漢大学の入学通知書を受け取った。 

Record China
中国紙「京華時報」によると、裏口入学詐欺という新手の詐欺により少なくとも24人、被害総額400万元(約8000万円)以上の規模になっていると報じています。今回被害にあった若者によると、学生生活(仮)では不自然なことがいくつもあったものの裏口入学したということで特に調べるということはしなかったといいます。

学籍がない状態で彼はどのような学生生活(仮)を送っていたのでしょうか。中国の大学は基本的に全寮制となっており生活で必要な寮費も「学生指導員」と名乗っていた詐欺師の男に渡していたといいます。
入学後に行う軍事訓練(国が定めた学校行事)では数人がこの学習指導員という男とともに遠く離れたところで参加。もちろん通常の授業には正規学籍を持つ大学生と共に参加しており、試験も受け大学の寮内で一緒に寝泊まりしていたといいます。

卒業の年となった4月。学習指導員を名乗っていた男が突然消えたことで不安になった若者が全国大学生データをネット検索したところ、自分の名前がなかったことでようやく騙されたことに気づいたといいます。ただ、これまでも学生証や図書館の利用カードが発行出来なかったり、授業の出席確認で名前が呼ばれないなど不審な点はあったものの「裏口入学だから仕方ないと学生指導員に説明されていた」と話しているといいます。

その後、親らの通報により容疑者3名が逮捕。同じように嘘の入学通知書を発行し大学に通っていた若者が少なくとも24人に上っていたことも明らかになったとのことです。


周りの人間を含む被害者本人を約4年間信じこませるという言葉巧みな詐欺師には驚くばかりです。ただ、手口は異なるものの中国では北京を中心に『偽大学』というよく分からない学習施設があり、2013年の段階でおよそ100校の存在が確認されています。また偽大学を卒業した場合は無価値な学位が取得できる仕組みになっているものの、学位というものが中国では一定の価値があることから「偽物でも十分な価値がある」とされているようです。

また中国では偽警察学校も過去に摘発されており偽校長から元人民解放軍の偽教師まで23人が逮捕されています。