
ロシア連邦宇宙局によると今月9日、国際宇宙ステーションにドッキングしていたソユーズ宇宙船が意図しないスラスター噴射を行い国際宇宙ステーションの姿勢に影響を与えていたことが明らかになりました。
ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)はモスクワ時間6月9日、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしているソユーズTMA-15M宇宙船のスラスター(小さなロケット・エンジン)が、意図せず噴射するという問題が起きたと発表した。この問題は、モスクワ時間2015年6月9日18時32分(日本時間2015年6月10日0時32分)、ソユーズTMA-15MとISSとの間で行われていたランデヴー・ドッキング・システムの通信試験中に発生したという。この試験自体は日常的に行われていることであり、特殊な内容ではなかったとされる。
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原因については今現在明らかにされていないのですが、事故を起こしたのは当時2基ドッキングしていたどちらかの「ソユーズTMA-15M」で、宇宙船本体の姿勢制御を行う『スラスター』という小刻みに噴射できる小さいロケットエンジンが勝手に動作してしまったというものです。誤動作したスラスターは何基で、燃焼時間等の詳細は明らかにされていません。
この問題についてsorae.jpによるとカナダ人元宇宙飛行士の話として、「6ヶ月ほどドッキングしていたソユーズを再起動する際に姿勢制御装置に不具合が発生しスラスターが噴射することは十分にありえる」としており不具合は想定の範囲内であると述べています。
ソユーズを含め宇宙船にはそれぞれ滞在日数というのがあり、NASAが開発を進めているオリオン宇宙船であれば210日(およそ7ヶ月)、ソユーズで6ヶ月とされています。またドッキング中のソユーズのスラスターが誤動作した例は2003年にもあったとしています。
今回不具合をおこしたソユーズ宇宙船はその後宇宙飛行士を乗せ日本時間6月11日19時頃無事に着陸を果たしています。
▼ソユーズ7Kのスラスター(現在のソユーズと同じものなのかは不明)
