三峡ダム

長江の中流に建設された世界最大級のダム『三峡ダム』がありますが、中国の軍事系メディアによると有事の際にこのダムが破壊された場合、億単位の人が被害を受けるなどと記事にしているそうです。

中国の軍事情報サイト「捷訊網」は21日、米国や台湾と戦争の事態になった場合、三峡ダムがミサイル攻撃を受け破壊された場合には、戦争に必要な軍部隊も水に飲まれ、民間人の被害は数億人にのぼると紹介した。

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捷訊網によると仮の話として有事の際に三峡ダムが破壊された場合の被害は三峡ダムより下流の省、及び都市の広範囲に被害が及ぶとしており、合わせて長江沿岸に作られている軍の駐屯地にも甚大な被害がでると指摘しています。
中国著名な物理学者・銭偉長氏の試算によるとダムの倒壊で6省市が泥沼となり数億人が被害を受けるとしています。

記事によるとダムの破壊を計画しているのは台湾・アメリカと指摘しており、台湾については人民解放軍が台湾に侵攻した場合、三峡ダムをはじめとした複数のインフラをターゲットに破壊を行うと考えられ、アメリカについては日本の尖閣諸島に関する問題で有事となれば三峡ダムの攻撃も考えられるとしています。

このことを踏まえ記事では 「釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)を奪取しても利は小さい。三峡ダムの被害は甚大だ。しかも、(尖閣奇襲で)先に手を出した方(中国)が国際世論の非難を浴びる」とまとめているそうです。

三峡ダムへの軍隊配備

2013年、中国で定められた『長江三峡水利中枢の安全保障条例』に基づき、現在このダムを中心に4600人からなる軍隊を配備しています。規模は地対空ミサイル4基、陸軍ヘリコプター大隊1隊、高速哨戒艇8隻、機動中隊24隊です。

当時これを報じた香港メディアによると、軍隊の配備は他国からの攻撃によるダムの破壊を警戒してということに加え、中国国民の不満が高まった場合、報復として民衆がダムの破壊に出る恐れもあるためとしています。

三峡ダム



三峡ダムは長江中流域の湖北省宜昌市三斗坪に建設された世界最大級のダムで水力による生産される電力は中国国内で消費される電力のおよそ2.5%をまかなっています。(三峡ダムの年間発生電力量は1,000億kWhで、参考として日本の東京電力が一般向けの電力量が年間860億kWh程度となっています)

三峡ダムのダム湖は570kmの長さ(距離)があり、貯水量は393億m³。これは日本の琵琶湖の貯水量275億m³を軽く越える量となっています。