最新の戦闘攻撃機F-35が格下のF-16に撃墜されるという出来事にF-35の開発責任者は「F-35は長距離から敵機を倒することを念頭に開発が進められたものであり、パイロットが有視界戦でドックファイトを行うことは必要はない」などとコメントしています。
この試験はF-35の飛行性能、つまりドッグファイト能力評価のため有視界戦(敵機が肉眼で見える距離)という2機が接近した状態で行われたものでなのですが、 F-35が一方的に撃墜判定されたといわれています。

参考：F-35開発責任者「ドッグファイトは想定していない」 : ZAPZAP!

では、『ドッグファイトを行うようにも作られたF-22』の場合、格下の戦闘機に勝つことはできるのかという疑問があるのですが、実はこれについても“そうとはいえない”という試験が明らかになっています。



2012年、アラスカ州で行われた『Red Flag』という国際合同演習で参加したF-22が欧州各国の主力戦闘EF2000 ユーロファイター・タイフーンに撃墜判定を受けています。

これを報じている『ニュースの社会科学的な裏側』によると、F-22が負けた原因について空中機動を確保するため搭載された推力偏向ノズルをドッグファイト時に使用すると速度低下を招く結果になり状況が不利になるとしています。またF-35と同じように「レーダーに映らないから勝てる」という指摘については、F-22から発する熱がユーロファイター・タイフーンの『赤外線センサー』にて50km先から捕捉していたと報告されていたそうです。

その他には同じような状況下でEA-18G(ボーイングの空母艦載機、F/A-18の電子戦機)や戦闘機ではないT-38という高等練習機にも撃墜判定をされているそうです。(動画)

▼F-22を撃墜したデカールを付けたEA-18G


この試験はドッグファイトの試験でありステルス機が得意とする相手のレーダーが映らないところから攻撃できるという明らかな優位性を除いたものになります。ただ、それでも様々な原因で敵機とドッグファイトを行うことになった場合、最新の戦闘機であっても必ずしも勝てる戦いにはならないというのは事実のようです。