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エアバスがアメリカで特許を取得したのはマッハ4.5で飛行可能な極超音速旅客機です。ターボジェットエンジン、ロケットモーター、ラムジェットエンジンを搭載した機体でエアバスは旅客機以外でも軍事用にも使用できると話しているそうです。

ここ最近注目を集めているのは音速を越える旅客機の開発です。これまで何れもアメリカのNASA、ボーイング、ロッキード・マーチンが開発を進めていることが知られていましたが、エアバスもこれに対向する形で参加しているようです。

Airbus: マッハ4.5で飛行可能な極超音速旅客機の特許取得 - BusinessNewsline

エアバス社がアメリカで特許を取得したのは最高速度4800km/h、マッハ4.5で飛行可能な極超音速旅客機です。しかもこの旅客機、ターボジェットエンジン、ロケットモーター、ラムジェットエンジンという3つの推進装置を稼働させる特徴があります。

記事によると、離陸からマッハ1まではターボジェットエンジンで通常の飛行を行いその後マッハ1に達してからはロケットモーター(つまり固体ロケット)を点火。ラムジェットの稼働に必要な飛行速度とされるマッハ3程度まで加速させた後にラムジェットの推進力でマッハ4.5の巡航飛行を行うというものです。

また飛行姿勢も通常の旅客機とは大きくことなり、ロケットモーター点火時はほぼ垂直に近い急角度で上昇し空気が薄い高度30kmの成層圏まで達する必要があるとしています。

▼ロケットモーターで急上昇中の機体
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極超音速旅客機

こちらが特許を取得した極超音速旅客機です。ジェットエンジンは機体中央前に取り付けられ収納可能なものとなっています。ロケットモーターは機体後部に、そしてラムジェットは翼の2箇所に取り付けられています。旅客スペースは画像では『I34』と書かれたところで座席数は20席です。
胴体の中央には燃料タンクと思われる巨大なスペースが設けられています。後部の垂直尾翼は回転するような仕組みになっているとのことです。

ツッコミどころはいくつかあるのですが、まず制御が難しく使い捨ての固体ロケットは行き先の空港でどのように交換するのか。垂直に近い急角度で上昇するという心地無視の飛行姿勢と加速力。そして僅か20人しか搭乗できないというコンコルド以上の問題を抱えている点です。

エアバスは「偵察機や爆撃機として運用も可能だ」と述べているそうで、そもそも軍事用として設計され爆弾の搭載スペースを旅客スペースとして改良して作ったのが今回の航空機ということになりそうです。