PTK NP_4

ソユーズ宇宙船に替わる新型宇宙船「PTK NP」の開発が進められいるのですが、この宇宙船の打ち上げを2021年に実施すると発表しているそうです。

ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は8月6日、公式facebookページにおいて、新型宇宙船の無人での初飛行を、2021年に実施する予定であると明らかにした。

打ち上げ場所は、現在ロシア極東で建設が進められているヴァストーチュヌィ宇宙基地で、新型の「アンガラA5V」ロケットで打ち上げるという。打ち上げ後、宇宙船は地球低軌道に投入され、試験が実施される。この発表に先立ち、ロスコスモスの科学・技術会議において、2021年の初打ち上げに向けて、開発を次の段階に移行することが承認されたという。

sorae.jp

ロシアが開発する次世代宇宙船「PTK NP」はWikipediaなどでは「PPTS」などとも呼ばれているもので、冒頭にも書いたように40年以上前に開発されたソユーズ宇宙船に替わる有人宇宙船になります。

PTK NPの形状はスペースXのドラゴン宇宙船と似た円錐型となっており、スペックとしては打ち上げ時の質量は20トン、最大6名が搭乗でき(月面軌道へは4人)、無人状態で21日間、国際宇宙ステーション等でのドッキング状態で180日の運用が可能となっています。

▼ロシア宇宙庁長官とプーチン大統領、模型はPTK NP、アンガラA5、アンガラA5V(2015年)
PTK NP

宇宙船は現在建設を進めているロシア極東のヴァストーチュヌィ宇宙基地から打ち上げられ、ロケットについても新開発のアンガラロケット(アンガラA5V)が使用されます。宇宙船はソユーズとは異なる再使用型となっており着陸はパラシュートと逆推進ロケット、さらに宇宙船本体に4本による軟着陸が行われるそうです。
また旧ソ連圏の各国で行われていたロケット・宇宙船の製造、発射場・着陸の全てがロシア国内で行われます。

▼PTK NPの実物大模型
PTK NP_1
Photo:Новости

PTK NP_2
Photo:Новости

PTK NP_3
Photo:Новости

PTK NPの開発まで

PTK NPを開発する以前、ロシアは小さい翼のついた『クリッパー』という次世代宇宙船を開発していました。ロシア単独では開発が困難だったこともあり当時ESA(欧州宇宙機関)はロシア側の宇宙船開発に参加していたのですが、ESAはクリッパーではなく次世代宇宙船CSTS(後のACTS)の共同開発を持ちかけロシア側が了承。クリッパー案は廃案となりました。

しかし、ロシア側は旧ソ連時代の宇宙船TKSを発展させた次世代宇宙船(要はPTK NPの元になったもの)を開発してはどうかという提案を受けCSTS計画から脱退、現在に至ります。