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銃にコンピューターを内蔵することで誰でも凄腕の射撃手になれると話題となった通称スマートライフルについて、指定された目標とは異なるターゲットに射撃してしまうというシステム上の問題が見つかったと報じられています。

標的を狙うスコープにLinuxを搭載したコンピューターを内蔵し、驚異の命中率を誇るというTrackingPointの「スマートライフル」にシステムが乗っ取られるという脆弱性が判明しました。この脆弱性が悪用されると設定していた標的が知らないうちに別のものに置き替えられ、本来とは異なる標的を撃ち抜いてしまう危険性があります。

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このライフルシステムはアメリカの民間企業TrackingPointが開発したもので、通常のライフルにLinuxというOSで動くコンピューターと距離を測る光学センサー類を搭載した銃となっており、トリガーを引いた状態で構えるだけで命中する角度に銃が向いた時に自動的に射撃するという銃になります。

しかし、システムがハッキングされることで射撃手が指定したターゲットではないタイミングでは射撃してしまうという脆弱性が見つかったとしています。

記事によると、問題を見つけたのはノルウェー出身のコンピューターセキュリティ専門家です。ライフルのコンピューターはスマートフォンと無線通信できるようになっておりここから侵入することに成功。一方、ライフル側は外部からのアクセスを制限する高度な手段がとられておらず比較的簡単に乗っ取ることができたといいます。

TrackingPointはこの問題について専門家から報告を受けており同社のホームページでは「ハッカーが周囲100フィート(約30メートル)の範囲内に存在していないことが明らかな場合のみ、Wi-Fi機能を利用してください」という文言が付け加えられているとのことです。



TrackingPointのスマートライフルは2013年1月より販売を開始しており、これまで米陸軍が興味を示し同じテストが行われたと報じられています。

ライフルの射撃性能としては1000ヤード(約914m)離れたところからの狙撃として、軍人の狙撃手であれば初段の命中確率は2~30%とされているものの、スマートライフルを使用した場合、一般の人であっても70%前後の確率で命中させることができるとされています。