アメリカ航空宇宙局(NASA)によると8月26日(米時間)、輸送機C-17を使用したオリオン宇宙船のパラシュート展開システムの障害試験について成功したと発表しています。

NASA Invites Media to Orion Spacecraft Parachute Test in Arizona | NASA



試験はアリゾナ州にある米軍施設内上空で行われ地上10,000mの高度からオリオン宇宙船(模型)を投下。今回は通常3つ展開するパラシュートのうち意図的に2つのみを展開させる着陸を行う試験になります。
オリオン宇宙船はあらゆる事故が発生しても宇宙飛行士を安全に地上へ戻せるよう開発が進められています。試験をコンピュータ上で行わない理由についてNASAによると大気圏内でどのような動きをするのかは現代の技術でも完全に把握することはできないそうで実際に飛ばし挙動を見るということが必要とのことのようです。



実際のオリオン宇宙船には3つのパラシュートが搭載されています。最初に展開するのはプログラマーパラシュート。これは地上に対し宇宙船を正しい向きにさせるもので、続いて安定用パラシュートを展開、直後に今回のメインパラシュートと進みます。
メインパラシュート3つを展開させるとサッカーグラウンドとほぼ同じ面積になり落下速度を20 MPH(8.94m/s)まで減速させます。



ちなみに過去行ったパラシュートの展開試験ではパラシュートそのものの展開に失敗し高速で地上に激突するという事故も発生しています。