チンパンジー

人間と他の動物の違いは道具を使うか使わないかという点でも評価されますが、なんと人類の近縁の種、チンパンジーの一部は既に石器時代に入った可能性があるとイギリスの公共放送局『BBC』が伝えています。

BBCは霊長類考古学の研究結果を紹介し、一部の地域に生息しているチンパンジーについて人類の石器時代に匹敵する進化を遂げていると報じています。

BBC: 「チンパンジーは石器時代に突入した」 - BusinessNewsline

記事によると、石器時代に入ったチンパンジーがいるのはアフリカ西部、コートジボアールの象牙海岸エリアに生息している種で彼らは石などを使って木の実の皮をむいて食べるという「道具」を使う能力を有しており、少なくとも4300年前から石器を使っていたとのことです。

彼らが使う石器について、人類が使った石器は重さにして数百グラムと軽量なものが多い一方、チンパンジーが使う大半の石器は1~9kgの重量があり少なくとも人間が作った石器を再利用しているとは考えられないとしています。これら石器は今から4300年前の地層からも発見されており今回の『チンパンジーと石器時代の年代』が導き出されたとのことです。


なぜチンパンジーは石器を使うようになったのか。BBCによるとは古来人類は圧倒的に力が強い他の動物により生存圏を脅かされ道具を手にとったという流れがチンパンジーでも起こっているとしています。つまりチンパンジーは人間による生息圏への侵入や環境破壊等により個体数を減少させており、結果的にチンパンジーも同じ状態に陥った結果、石器を使うようになった可能性があるとのことです。

今後チンパンジーは火を使ったり青銅器時代、鉄器時代に入り農業を始めるまで発達するのか気になる点があるのですが、BBCによるとその可能性は少なく現在の石器を高度化させる前にチンパンジーそのものが絶滅するだろうと予想しています。