セントルイス

アメリカ・ミズーリ州の地元紙によると、セントルイス市内の公園や住宅街がトリウム230という放射性物質に汚染されていたと報じられています。原因は放棄された原爆製造の廃棄物にあるとのことです。

ロシアメディア『Sputnik』によるとミズーリ州の新聞セントルイス・ポストディスパッチの記事内容としてセントルイスの公園や個人宅の庭からトリウム230という放射性物質が検出されたと報じています。

米ミズーリ州の住宅街、放射能で汚染されていた

記事によると、この放射性物質はセントルイスの郊外にあった米国唯一のウラン製造工場『マリンクロット化学工場』が原因と考えられています。実は工場から出た放射性廃棄物はミズーリ州ヘーゼルウッドで野ざらしに放置されておりミズーリ川の支流であるコールドウォーター・クリークに漏れだした結果、下流のセントルイスにも放射能汚染を引き起こしたというものです。

2011年にはコールドウォーター・クリークの流域を含めセントルイスでは放射能が原因と考えられるガンや病気の発症率が高まっていると報告されていたといいます。中東のアルジャジーラによると流域にある公園や庭など15~30cmから採取された土壌サンプルからはアメリカが定めるトリウム含有量の閾値を越える2~4倍の量が検出されたとしています。

トリウム230の放射能汚染についてはアメリカ政府も認めており今後何らかの除染が行われるとのことです。

ウラン234の崩壊生成物、トリウム230(イオニウム)は半減期がよそお7万5000年の放射性同位体でアルファ線を放出します。その後ラジウム226などが生じ最終的に鉛206になります。トリウム230は海底土などの年代測定を行う計測機器に使用されています。