ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)が使用するソユーズに替わる新型宇宙船を開発していることについて、開発元のRKKエネルギアはこれまで計画されていた2021年の完成と初飛行について開発を前倒しするという内容を発表しています。
スクワ郊外で開かれている国際航空宇宙見本市「МАКS-2015」で「エネルギヤ」社のウラジーミル・ソーンツェフ社長は「ロシアの新型有人宇宙船第一号は、2019年までに製造される可能性がある」と述べた。S.P.コロリョフ ロケット&スペース コーポレーション エネルギア(RKK エネルギア)が現在開発しているのはソユーズ宇宙船に替わる再使用型宇宙船PPTSです。当初の計画ではPPTS 1号機について2021年に開発し同年無人による飛行テストを行うとしていました。しかし、RKK エネルギアの社長によると製造と準備期間を短縮することを社内で合意しており、2年早く2019年にこの試験を行うとしています。
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PPTSと月面着陸ミッション
PPTSは国際宇宙ステーションや月面への有人飛行を可能する宇宙船で、10回程度再使用可能な宇宙船となっています。乗員は国際宇宙ステーションなど低軌道へ6名、月へは4人を送り込むことができます。月ミッションでは着陸モジュールなどを4基の新型ロケットアンガラA5シリーズをそれぞれ打ち上げロシア初の月面有人着陸を目指します。▼最初の打ち上げでは着陸モジュールを月へ向かわせるため2機のロケットを使用します
Photo:Космическая лента
▼その後有人のPPTSの打ち上げ月軌道へ送り込みます。その後月軌道上の着陸モジュールに乗り移り月面へ降下します。
Photo:Космическая лента
▼ロシア宇宙庁長官とプーチン大統領。中央の模型はPPTS、右にアンガラA5、アンガラA5Vロケット
ただし、月面着陸を含む計画についてロシアの経済状態が悪く今後予算が削減される可能性があります。また大型ロケット4機を飛ばさないと実行できない月面有人着陸、そして月へ向かう宇宙船と地球軌道を回る宇宙船が同じ仕様であることを問題視する専門家の意見もあるとのことです。
▼PPTSの内部(模型)