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発症からわずか数十時間で死に至る場合も多いという『劇症型溶血性レンサ球菌感染症』なる感染症が国内で多く発生しており、今年は既に291人が発症しており過去最多となっているそうです。

国内外に複数メディアによると、国立感染症研究所のまとめとしてA群溶血性レンサ球菌による劇症型溶血性レンサ球菌感染症の感染者数が過去最多となっていると報じています。具体的には今年は8月23日の時点で291人が発病しており、2014年の273人を既に超えているとのことす。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症はおよそ3割が死亡する極めて致死率の高い感染症です。その高い致死率は短時間で重い症状がでることも理由とされており、発病から死に至るまでの時間は僅か10数時間以内という例も多く確認されています。

発病後の初期症状は両手両足の疼痛(痛み)に続いて、発熱、悪寒、筋肉痛、下痢などインフルエンザに似た症状がおよそ2割の患者でみられます。また発病者の半数が錯乱状態になる他、昏睡や好戦的という姿勢が見られ、時間の経過とともに両手両足から壊死が始まるとのことです。初期症状が現れてからわずか壊死が始まるまでは数時間以内とされています。

A群溶血性レンサ球菌は一般的には咽頭炎や皮膚の感染症にとどまることが多いものの、まれに血液や筋肉、肺に侵入すると上記のような極めて危険な状態に陥ります。また壊死等が発生した場合は治療する手段はなく、感染拡大を防ぐため幹部を含む広範囲を切断する方法がとられ完治後も重い障害を残します

A群溶血性レンサ球菌は皮膚の傷口から体内に侵入する場合が多いとされ、傷を清潔に保つことが予防のポイントとされています。 

Photo: A群溶血性連鎖球菌(東京都感染症情報センター)、参考:国立感染症研究所東京都感染症情報センター