ロンドン地下鉄

大都市では欠かせない公共交通の1つ地下鉄。とある大学が行った研究によるとロンドン都市部を走っている地下鉄の速度が速すぎ、かえって市内の混雑や渋滞を起しているという研究が発表されています。

都市部の混雑を解消するには公共交通機関、つまりバスや電車の速度を上げ素早く移動させたほうが効率が良いというのは誰でも思ってしまいますが、実はそうではないとする研究結果がスイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究で明らかになりました。

地下鉄を高速で運用すると却って渋滞が生じる、スイスの研究者が新論文 - Technobahn

同校によると、都市全体で見ると速度が速ければ混雑を解消できるというのは必ずしも正しくはなく、逆に混雑を引き起こす結果になるとしています。これはどういうことなのでしょうか。

これまで都市の渋滞や混雑モデルは地下鉄は地下鉄、バスはバス、車は車とそれぞれに問題があるというふうに研究がおこなわれこれらが関連付けた調査研究はなかったとしています。そこで同校はこの全てを1つにまとめ、何が原因で混雑が発生しているのかモデルを作成し実際の都市で研究を行いました。

研究によると、ロンドン地下鉄についてモデルから導き出された速度と実際の速度に差が生じていることが分かったとしています。具体的にはロンドン地下鉄の平均速度は33km/hなのですが、モデルが最適とする平均速度は10km/h以上も遅い21km/hになったそうです。

つまり、ロンドン地下鉄は多くの人を素早く移動させているものの、他の公共交通が行える輸送量を越える結果になりこれが都市全体の渋滞や混雑の原因になっていると指摘しています。

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