image_5

日本の農業、そして漁業といえば若い働き手が少なく衰退する一方だなどと明るい話題を聞きませんが、なんとここ最近野菜や果物、魚や貝などが中国をはじめとしたアジア圏に人気で物によっては輸出量が3~4割増しになっている明らかになりました。

中国国営通信・新華社傘下の日刊紙「参考消息」が伝えたこととして、日本産の生鮮食品について今年1~7月の輸出額は前年比の3~4割増しという規模になっていると報じています。

日本の海産物人気が爆発、ホタテの7割を中国へ輸出―中国メディア:レコードチャイナ

記事によるとこれは農林水産省の統計により明らかになったもので、今年1~7月の輸出額は農畜産物が180億円、水産物は1590億円になったとしています。その中でも特に輸出量が多くなっているのはリンゴとホタテです。ホタテについては前年同期比で53%増。今年1~7月には6万3000トンを輸出しているもののその7割以上が中国となっています。

輸出が増えている背景には何があるのかという点について、北海道の水産局水産経営課によるとアジア各地でワークショップを開催し、現地バイヤーと関係をもったことが最大の原因としています。

また日本産生鮮食品の需要拡大を受け輸送手段も大きく改善されており、これまで氷やドライアイスで冷やしながら運んでいたものから専用コンテナを開発し大量にまた鮮度を維持したまま輸出できるという環境が整ったことが理由とされています。

一方中国では、輸入したホタテをどのように扱われているのか。北海道新聞は遼寧省大連市にある総合水産会社「獐子島(しょうしとう)集団」を取材したものを掲載しています。
この会社では日本産のホタテを使った商品「ホタテ春雨」が大ヒット。「原料を輸入するため、北海道の取引相手とも毎日のように連絡を取り合うようになった」などと話し、記者にサケ、ホタテ、カキ、ナマコなど最高級品を扱う漁業関係者を紹介してほしいとまで言われたといいます。(参考)
 
ちなみに「ホタテ春雨」は春雨やにんにくおろし、ネギ、唐辛子、タレなどをかけた6個パック商品で輸入した価格の4倍ほどの値段129元(約2,500円)で販売しているとのことです。

東日本大震災による原発事故で致命的な打撃を受けた日本の農水産物なのですが、このことは既に過去の話となっているようです。