F-15

アメリカを中心に日本や韓国でも運用されている戦闘機F-15というものがあるのですが、旧式化した電子装備を改修することで今後30年以上にわたって戦力として維持できる案が発表されているとのことです。

WASHINGTON — 米空軍はボーイングを主契約企業に選定し、新型完全デジタル方式の電子戦装備をF-15に搭載する。BAEシステムズが開発にあたる。

ボーイングが10月1日発表した声明文ではEPAWSS(イーグル・パッシブ・アクティブ警戒残存システム)により脅威対象に対応してF-15乗員を守ることをめざす。
 
航空宇宙ビジネス短信
海外情報メディアが報じた内容として、制空戦闘機F-15C及び戦闘攻撃機F-15Eそれぞれに対しEPAWSS(イーグル・パッシブ・アクティブ警戒残存システム)なる電子装備を取り付け今後35年以上も実戦配備を可能とする改修案を示しているとしています。

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現在F-15CやEには戦術電子戦装備が搭載されているもののこの装置自体が1980年代から更新されていないようで、近代化改修案として最新の電子戦装備を搭載することでF-15シリーズの延命を図る意図があるそうです。

F-15を設計開発したボーイングはイギリスの軍事大手BAEシステムズという企業にこの開発を選定したとしており、ボーイング側は「EPAWSSでF-15は2040年代の先まで有効性を維持できる」と話しBAEシステムズの電子戦担当者は「完全デジタル化で空軍は次世代電子戦能力をF-15CおよびF-15Eに搭載し、現在および将来の脅威対象に有効に対応できる」と述べているとのことです。



F-15はその設計は1960年代、初の実戦配備は1976年でF-15Cについては日本の自衛隊機を含め1985年までに製造された機種です。F-15Eは2000年代に入った頃まで製造されていた機種なのですが、その後継機として開発・製造されていたF-22は早々に生産ライン閉鎖されており新機種は生産されていません。一方、F-15は優秀さが故に機体寿命を引き伸ばし運用が決定されていました。

実際のところF-15のような運用を目的とした純粋な後継機つまりF-22が初の実戦経験をしたのはなんと2015年に入ってからで、この役割も果たすF-35は開発の遅れと導入コストの高騰、搭載できるミサイルの量が不足しているなど潜在的な問題を抱えており、無人機航空機の運用が進んでいる中でも古い機体を改修しまでも使わざるを得ないという現状が見え隠れしています。