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三角形の道具を覗きながら使用する六分儀。大昔から航海術の1つとして長らく使用されているものなのですが、米海軍の士官学校では『六分儀』講習が十数年ぶりに再開することになったと報じられています。

アメリカのCapital Gazetteが行なった海軍士官学校の取材によると、GPSの普及によって長らく中止していた六分儀講習についてこれを再開させていたことが分かったと報じています。

米海軍、士官学校での六分儀の講習を約15年ぶりに再開 - BusinessNewsline

記事によると、米海軍士官学校では長らく六分儀を使用した航海術に関する講習が取り入れられていたものの1980年代アメリカが打ち上げたGPS衛星が普及したことにより1990年頃から現在にかけ六分儀そのものが使用されなくなったとしています。

しかし最近では戦時にハッキングなどサーバー攻撃を受けGPSが使用できなくなる場合が想定されはじめ、GPSを使用しなくても位置を知ることができる六分儀の講習が再開されたとのことです。



六分儀とは16世紀、1757年イギリスで発明された道具で太陽などの天体と水平の角度を測り最終的に船の位置を求める天文航法に使用されています。一方、米海軍は1987年から現在まで打ち上げられた複数のGPS衛星により船の位置を特定することが行われていたものの、2010年より前に打ち上げられたGPSは現在の規格とは違いGPS衛星は電波妨害に対抗する手段が取り入れられておらず、使用できなくなる恐れがこれまでも指摘されていたといいます。

ちなみに、GPSや六分儀以外にもっと最新の技術を使った装置はないのかという点については、米海軍は他に利用できる有効な手段は(今現在)六分儀の他にはないとしています。