
NASAが今後宇宙開発として小惑星への有人探査を目標としているのですが、この小惑星を採取し月軌道へ持ち帰る実現方法について米企業に提案を呼びかけているとのことです。
米航空宇宙局(NASA)は2015年10月23日、小惑星の欠片を月の近くまで運ぶ無人ミッション「ARRM」(Asteroid Redirect Robotic Mission)の実現方法を探るため、米国の企業に対して提案を呼びかけた。
現在NASAは、小惑星の一部を月軌道の周辺まで運び、そこに宇宙飛行士を送り込み、将来の有人火星探査に向けた予行練習を行うミッション「ARM」(Asteroid Redirect Mission)を計画している。
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NASAが計画している小惑星への有人探査計画。方法としては無人探査機をイトカワ、ベンヌ、2008 EV5(最有力)のどれかに送り込み、直接採取しこれを月軌道付近に持ち帰ります。その後、地球から有人宇宙船を打ち上げ月軌道へ送り込み小惑星の岩石を捉えたままの無人探査機がドッキング。宇宙飛行士が船外活動を行い小惑星サンプルを採取、再び地球へ帰ってくるというものです。
この構想は最近発表されたものではなく2013年4月に提出した2014会計年度予算教書に盛り込まれたもので今回の発表によると採取する無人探査機そのものの打ち上げは2020年末を予定し計画は将来の火星有人探査の予行練習の1つとしています。
『実現方法を探る案』を何故今の時点で一般企業に呼びかけたのかという点に疑問があるのですが、この小惑星採取・有人探査計画については米議会で上下院で過半数の議席を確保している共和党からは反対する意向が示されており、実際のところ計画が行われるのかはどうかは技術的な問題ではなく地上の問題になるとも言われています。