image_2

ドイツを代表する学術研究機関マックス・プランク研究所はヘリカル型としては世界最大の核融合炉が完成したと発表しています。

プラズマ物理学を研究しているマックスプランク研究所は2005年から建造が開始された核融合炉『Wendelstein 7-X』について先月完成したと発表しています。

マックスプランク研、「Wendelstein 7-X」が完成・世界最大のヘリカル型核融合実験炉 - BusinessNewsline

Wendelstein 7-Xは磁場閉じ込め方式、慣性閉じ込め方式の2種類ある中でも『磁場閉じ込め方式』を採用したヘリカル型核融合炉で磁場を用いて超高温・超高密度のプラズマを空中に閉じ込めるという方法のものになります。同じような実験炉は日本とアメリカにもあるのですが、ドイツのWendelstein 7-Xは過去作られた同じタイプの核融合炉の中では世界最大とのことです。

▼Wendelstein 7-Xの内部、ここにプラズマが発生します(2013年12月)
image_1

同じように磁場を用いて核融合を維持する『トカマク型』があるのですが、マックスプランク研究所によると設計上の仕様として最長で30分間プラズマを維持できるとしており、これは既存のどのトカマク実験炉よりも長い時間になります。内部のプラズマの温度は最高で摂氏約1億3000度になると予想されています。

この実験炉については当初トカマク型よりもヘリカル型のほうが構造が簡単だなどと2006年にも完成する見込みを発表していたものの10年という歳月がかかっていまいました。その理由は不明なのですが、この間に投じられた費用は総額11億ドル、およそ1320億円とのことです。

マックスプランク研究所はまもなく最初の研究を始めるとしており、今年中に最初のプラズマ生成を目指すとしています。