
原子力発電所の使用済み核燃料に含まれるプルトニウム。日本にもかなりの量が保管されていると言われていますが、BBCによるとイギリス国内には世界最大量となる140トンものプルトニウムが民生施設に保管されていると報じています。
イギリスにあるセラフィールド再処理工場(Sellafield nuclear plant)で再処理され、備蓄されているプルトニウムの総量が140トンにも達していることがBBCニュースの報道で明らかとった。原発の使用済み核燃料を再処理するにあたってウランとプルトニウムが抽出されるのですが、このプルトニウムは所謂『MOX燃料』となり再度一般的な原発や高速増殖炉で利用するという『プルサーマル』が行われています。
140トンというプルトニウム備蓄量は、民生施設が保有しているプルトニウム量としては世界最大のものとなる。
BusinessNewsline
日本でも使用済み核燃料から抽出されたイギリスと同じものと考えられるプルトニウムが大量にあり、最近中国は「なぜ日本がこれほど大量のプロニウムを必要としているのか」などと国連で“突然口にした”ことで話題になっていました。
これを受けてなのかは不明なのですが、イギリスの公共放送局BBCは国内にある民生用プルトニウムについて世界最大量が国内にあったと報じているそうです。その量は140トンとされ日本にあるという民生用プルトニウム48トンあまりのおよそ3倍の量になるとしています。
日本の場合、MOX燃料を使用する高速増殖炉の研究が進んでいるもののイギリスについては高速増殖炉計画は1990年代に廃案となり現在はこの備蓄されたプロトニウム問題を解決するため再びMOX燃料を使う専用の原発の建設が計画されているものの採算性の問題から建設は困難とされているそうです。
ただ、このプロトニウムについては『プロトニウム』として保管されているわけではなく(理由は核拡散防止条約で禁止されているため)、プルトニウムとウランを混ぜた酸化物MOXで保管されています。
保管されているイギリスの再処理工場については外国から使用済み核燃料を受け入れ再処理している世界に2つしかない施設の1つとなっており、日本から出された大半の使用済み核燃料についてもこのイギリスの施設ともう1つのフランスの施設で処理されています。