誰もが経験する麻酔。一般的に全身麻酔と局所麻酔があるのですが、局部麻酔について患者にスマホを与えることで追加で使用する麻酔の量を最大で1/6にできるという報告があるそうです。
スマートフォンはいまや電話としての役割だけではなく、カメラや音楽プレイヤーなどの多彩な機能を備えています。スマートフォンの活用方法を研究した結果、なんと外科手術中にスマートフォンを使用していると気持ちが落ち着き、鎮痛剤としての効果を発揮することが判明しています。事故によるケガまたは病気によって麻酔を使う手術は一生のうち何度か経験することになるのですが、なんと現代社会に必要不可欠となっているスマホに鎮静効果が確認されたと医薬品研究機関『RTI International』の研究者により明らかになりました。
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研究では下半身の手術を受ける被験者98人に対し「スマートフォンでアングリーバードをプレイする」「家族とメールのやりとりをする」「見ず知らずの他人とメールのやりとりをする」「何もしない」の4つのグループに分け手術中に要求した麻酔の量を比較しました。
結果、スマホを片手に「見ず知らずの他人とメールのやりとりをする」のグループが要求された麻酔量が最も少なく、 「アングリーバードをプレイする」「家族とメールのやりとりをする」がほぼ同じで、「何もしない」のグループについては「他人とメールのやりとりをする」よりも6倍多い要求をしていたといいます。
このような結果になったことについて研究者によると「身内とのメールでは手術の話題になりがちでネガティブな内容が交わされることがあるため他人とメールをやり取りする場合よりも気分が紛れないのではないか」などと話しているそうです。
様々な場面で痛みに襲われることがあると思うのですが、その時は是非スマホを利用して気を逸らすということを行ってみてはいかがでしょうか。
また2012年アメリカの学術誌『Journal of Personality and Social Psychology』には「紙幣を数えると鎮静効果をもたらす」という研究論文が掲載されたことがあります。ちなみにこちらについては傷やケガによる身体的な痛みの他にも社会的な痛みを緩和するとう両方の効果があったとされています。(参考)