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核爆発ではなく核物質を弾頭に詰め爆発させることで長期間放射能汚染をする目的の『ダーティーボム』というものがあります。ロシア国内のテレビ局がこの兵器の開発計画を誤って放送してしまうという出来事があったと報じられています。

BusinessNewslineによると、今月ロシア国内のテレビ局はクレムリンで行われたプーチン大統領が出席した閣議の様子を放送したのですが、テレビカメラが軍高官の資料をズームアップしたところ極秘の新兵器に関する軍事機密の資料だったらしくその映像が検閲を受けずに放送されてしまう出来事があったと報じられています。

ロシアが最終兵器の開発に着手? 機密扱いの資料が誤ってロシア国内のニュース番組で放送 - BusinessNewsline

記事によるとこの兵器は新型魚雷に関するものなのですが、高官の資料には魚雷の構造と説明書きがあり「この核魚雷を使用した場合、NATOの防衛網を突破し対象国の沿岸地域を放射線で汚染させることにより、対象国が許容できない被害を及ぼすことが可能となる」という文字が書きつづられていたとのことです。



この新型魚雷はこれまで発表されていなかった新型兵器になり資料からは「Ocean Multipurpose System」という名称が使われており開発はルービン設計局が行なっているとしています。

魚雷の性能としては先端から微細な泡を出し抗力を大幅に減らしすというスーパーキャビテーションが採用された高速魚雷と考えられ、報道によると魚雷の最高速度は100km/hで最大射程は10,000kmとなっています。
もちろんこの魚雷は艦船の破壊を目的としたものではなく沿岸部一帯を長期間住めなくするという目的をがあるもので、例えば軍港に撃ちこめば爆撃による破壊とは異なるダメージを与えることができ軍港そのものを利用できなくすることも可能になります。

問題なのはこの魚雷が本当に開発されているのかという点です。記事によると魚雷は直径1m(資料から測定すると長さは14m以上)という規格外の魚雷であり、このサイズは弾道ミサイルよりも長く魚雷発射管からは発射不可能になります。また水中を時速100kmで射程10,000kmという桁違いの航続性能を出すにはどのような推進装置が搭載されているのか。例えば現在配備されているスーパーキャビテーションを利用した魚雷『VA-111 シクヴァル』の場合であれば射程はわずか15kmほどしかありません。また水中から空中に打ち上げる潜水艦発射型トマホークUGM-109であっても射程は3,000kmです。つまりロケット推進でもなくスクリュー推進でもないまたはターボファンエンジンなどとは全く別の何かが使われているということになります。

この魚雷が本当に開発されているのか。そもそも極秘資料があるところをテレビ局が訪れ堂々と資料を眺めている姿を撮影するという時点で何らかの意図を感じてしまいます。