Hywind

硬い地盤に固定するのではなく水面に浮いた状態で発電することができる浮体式洋上風力発電。技術としては新しいものなのですが、スコットランドではこの方式による風力発電を設置し2年後に電力供給を行うと発表しています。

スコットランドのピーターヘッド沖25kmに設置されるのは浮体式洋上風力発電です。計画は複数の浮体式洋上風力発電を建設し2万世帯に相当する30MWの電力を確保するというもので2017年の正式稼働を目指します。

スコットランド、世界初の海上浮上式風力発電設備を運用へ・総出力量は30MW - BusinessNewsline

今回スコットランド政府と契約したのはこの浮体式洋上風力発電でも有名なノルウェー最大の国営エネルギー企業『スタトイル』です。現在スコットランドを含むイギリスでは陸上ではなく洋上に風力発電施設を設置するという動きを続けています。
それは北海から一定の風力が得られるという好条件に恵まれているためなのですが一方、良い風が吹くというスコットランド東部の沖合は水深が95~120mあり地盤に固定する着底式の風力発電は設置できなかったといいます。



そこで浮体式洋上風力発電が注目されたのですが、現在この発電所の開発技術を有しているのは少なく契約したスタトイルは2009年にノルウェーで世界初の実用的な浮体式洋上風力発電施設『Hywind(ハイウインド)』を建設し運用を開始したことで有名でした。

スコットランドに沖に建設されれるのもHywindに採用されたloose mooring catenary係留システムと同じものになると考えられます。具体的には海面から見える風車は通常の着底式と同じなのですが、実際は固定されておらず水中に浮いているという状態で本体は海底に置かれた3つのアンカーに繋げられています。総重量は5,300トン(アンカーを含む?)で1基あたり62億円という非常に高価な発電システムとなります。

またスタトイルは日立造船と浮体式洋上風力発電に関する技術提携しています。(参考)

▼Hywindの組み立てと設置