image_5

宇宙空間をただ漂うだけの惑星『自由浮遊惑星』。その中でも地球から最も近い自由浮遊惑星『PSO J318.5-22』という天体があるのですが、太陽系には見られない特殊な環境が広がっていることがわかったそうです。

私達地球は太陽という主星を軸に公転していますが、何らかの理由で星系からはじき出され宇宙空間をさまよう自由浮遊惑星というのが存在します。2013年、現在発見されている中では最も地球から近い位置にある『PSO J318.5-22』が発見されたのですが観測の結果、溶けた鉄の雲で覆われているなどとてつもない環境が広がっていることがわかったそうです。

ふわふわ宇宙を漂う浮遊惑星「PSO J318.5-22」は、鉄の雨を降らせる雲に覆われている : ギズモード・ジャパン

記事によるとエジンバラ大学の研究結果としてPSO J318.5-22はその表面温度は摂氏800度ほどで、表面を覆うような形で溶融鉄の粒と埃の雲で包まれていると想像されているそうです。

PSO J318.5-22は太陽系外惑星を観測するのとは異なり、観測の妨げとなる恒星が近くにないたいめ「研究ははるかに容易だろう」などとされていました。
PSO J318.5-22についてその他に分かっていることは、この天体は非常に若く誕生したのは今から1200万年前(プラス800、マイナス400万年)とされています。サイズは木星の1.5~1.55倍、質量は木星の5.5~7.8倍で誕生後短時間発生した重水素による核融合の余熱もしくは自身の重力によるケルビン・ヘルムホルツ機構という原因で高温に保たれているとされています。

▼太陽、木星、PSO J318.5-22のサイズ比較
image_4

PSO J318.5-22は褐色矮星と呼ばれるもので人間の分類上は恒星にも惑星にも入らないというどっち付かずの天体です。PSO J318.5-22は巨大で自ら発熱していたことで発見されたものの、仮に地球や火星のような岩石惑星であれば現在の観測技術ではこれら自由浮遊惑星を発見することはほぼ不可能です。

現在、私達の銀河系には星系からはじき出された自由浮遊惑星が2000~4000億個ほど存在すると予想されています。この数は銀河系内に存在する恒星の10万倍の数で一部の星系はどこからかやってきた自由浮遊惑星を捕捉したもあるのではないかと考えられています。