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特に今年は酷い大気汚染が続いている中国の首都北京。一般のネットユーザーが測定器を用いた値がネット上に多く出回ったことについて「測定器が悪い」などと当局が発表したところ不満の声が寄せられる出来事がありました。

深刻な大気汚染が続く中国で「北京でPM2.5の数値が2,000マイクログラムを超えた」という投稿がネット上に相次ぎました。中国メディア法制晩報によるとあるネットユーザーがPM2.5の濃度を測定できるハンディー型測定器を使い行ったものなのですが、これに当局が反論したことにより国民からは的外れだとする意見が寄せられたと報じています。

北京のPM2.5濃度「2000」超、ネットで相次ぐ投稿に専門家「...:レコードチャイナ

北京市環境保護観測センターによると、10月30日には北京市はPM2.5の数値が1,000マイクログラム近くまで上昇することはあったものの多くの地点では500マイクログラムを超える程度で1,000マイクログラムを超えてはいなかったといいます。
その上で、2,000という数値が測定されたのは空中の水蒸気も誤検出してしまう光散乱法のハンディー型測定器を使ったためであり、「国が認証しているTEOM法もしくはベータ線吸収法の測定結果ではない」などと説明していたといいます。

しかし中国のネットユーザーからは 「そういう問題じゃないだろ」「極めて深刻なレベルであることに変わりはない」など不満の声が多く寄せられたとのことです。


さて、北京で観測された500や1,000マイクログラムの濃度はいったいどのくらいのものなのか。日本の環境省による「注意喚起のための暫定的な指針」によると、日平均値70マイクログラム以下では呼吸器系に疾患がある人以外は特別注意する必要はないとしており、70マイクログラムを超える数値の場合には不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らすとしています。
また日本の環境基準では1年平均値が15マイクログラム以下、かつ1日平均値が35マイクログラム以下と定めておりこの数値を見ても中国で測定されている数値がどれだけ高いのかが分かります。