ひじき

鉄分が豊富な食材として、場合よっては「鉄分の王様」などと二つ名も与えられていた『ひじき』ですが、なんとその『鉄分』は調理の際に使用する鉄鍋が由来となっており、ステンレス鍋では9分の1程度しか含まれていないことが明らかになりました。

学校や病院の給食、外食産業のメニュー作りに広く使われる「日本食品標準成分表」が7訂版に改訂された。文部科学省資源調査分科会は、健康志向やアレルギー対策で食べる機会が増えた発芽玄米や米粉パンなどを新たに掲載したほか、糖尿病患者向けに主な食品の炭水化物量を正確に算定した。改訂は5年ぶり。

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文部科学省資源調査分科会が公開した「日本食品標準成分表」によると、これまで鉄分が豊富に含まれるとされていた『干しひじき』について記載が見直されたと報じられています。具体的には現在主流のステンレス鍋で干しひじきを作った場合、鉄鍋で作った時に比べ含まれる鉄分はわずか1/9、100グラムあたり6.2グラム(鉄鍋では58.2グラム)しか含まれていなかったとのことです。

日本食品標準成分表2015年版(七訂) 第3章 資料 1 食品群別留意点より

ひじき

文部科学省資源調査分科会によるとほしひじきを作る過程で煮熟という過程が必要で、この1.5~6時間の加熱に使用する鍋が鉄鍋だと鉄分が染み出しひじきが吸い込むことで計測上は多く出る影響があったとしています。つまり、同じ過程を『ステンレス鍋』で行った場合、当然鉄分はしみ出さないので計測される鉄は1/9程度になったということです。

ちなみに日本経済新聞によると切り干し大根もステンレス製包丁の普及を受け、鉄分が9.7ミリグラムから3.1ミリグラムに減っているとのことです。

この発表についてネット上では「鉄の箸で食べればいいんじゃね? 」「鍋を食っていたのか」「貧血女がフライパンを鉄製にしただけで改善した 」「鉄の調理器具で鉄分摂取できるのは昔から常識だろ! 鹿さんだって鉄道のレールぺろぺろしてんだぞ! 」「これは鉄鍋屋のビジネスチャンス」などというコメントが相次いでいました。


また藻類は鉄分が多いというこは知られているのですが、日本食品標準成分表によると100gあたりの含有量として『あおのり 素干し』が77mg、『かわのり 素干し』が61.3mg、『いわのり 素干し』についても58.2gと飛び抜けて多く、次回から鉄分を藻類で得ようと考えている方は『のり』ファミリーがよいと思われます。
 
人体における鉄の役割については血液との関係が強く主に酸素を体内に運ぶ赤血球(ヘモグロビン)の主成分となっておりこれが人体にある6~7割の鉄の使われ方となっています。そのため鉄分が不足すると酸素が行き渡らずめまいや耳鳴り、息切れ、加えて女性では妊娠関連、流産や早産、奇形児の誕生など子供の発育に対して重い問題を残すことがあります。