ギベオン隕石

地球に落下してくる隕石。時には生物を根絶やしにすることもできる途方も無いエネルギーを放出することがあるのですが、とあるアメリカの銃メーカーはこの隕石から『銃を作る』ということにエネルギーを使うそうです。

アメリカ合衆国のケーブルテレビ向けのニュース専門放送局CNN日本語版によると、アメリカの高級ハンドガンメーカー『カボット・ガンズ』が隕石が作った拳銃2丁のセットを製造、販売すると発表しているそうです。価格は1セット100万ドル、およそ1億2000万円とのことです。

CNN.co.jp : いん石から拳銃を製作、販売へ 米メーカー

▼ギベオン隕石(参考)
ギベオン隕石_1

記事によるとカボット・ガンズはアフリカのナミビアで発見された質量35kgのギベオン隕石を購入したもので、「わが社が作ってきたピストルの多くは、芸術品に近い域に達していると言って差し支えないと思う」と話しているそうです。

同社はこれまでグリップのみ隕石で作ったものを販売した経験があり、「いん石には希少性がある。それは地球上にある貴金属以上だ。私はそれ自体に価値がある素材を使って銃を作りたいと考えていた」としており、銃を作る上で適した素材ではないとしているものの 完成させる自信を持っているそうです。

隕石

ホバ隕石
▲鉄隕石(アタキサイト)

宇宙にある固体物質が地球などの惑星の表面に落下してきたものを『隕石』と読んでいます。隕石については具体的には3つの種類『鉄隕石・石鉄隕石・石質隕石』があり、鉄隕石はさらにニッケル含有比と構造から『ヘキサヘドライト・オクタヘドライト・アタキサイト』に分けられます。

今回銃の製造に使われるギベオン隕石は鉄隕石(オクタヘドライト)で、鉄91.8%、ニッケル7.7%で構成されています。今から4億5000万年前に落下した隕石でこれまで26トンが回収されており古来から槍などの武器の素材として使われていたそうです。

同隕石はウィドマンシュテッテン構造という網目状になっていることから見た目が美しく装飾品としても流通しています。

ちなみに日本には隕石から刀を作った『流星刀』が明治以降に製造されています。
▼隕星剣
隕星剣