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HPVワクチン、いわゆる子宮頸がんワクチンについて接種後に謎の痛みや病を訴える女性が一部いることについてWHOの声明として因果関係は認められていないと日本側の対応を名指して批判していることが明らかになりました。

接種後に原因不明の痛みを訴える人が相次いでいるとして、日本で接種の推奨が中止されている子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)について、世界保健機関(WHO)の諮問委員会が日本側の対応を強く非難する声明を出した。

J-CASTニュース

日本では2010年頃から2013年にかけ中学1年生から高校3年生相当の女子に対し無料もしくは低額で接種を受けることができた子宮頸がんワクチンについて、接種後に有害事象つまりテレビ等で報じられる痛みや謎の病を発症したという人が確認されたとして2013年6月に全国の自治体に対して積極的な接種の呼びかけを中止するよう通達が出され、現在の接種率はほぼゼロに近いレベルにまで低下しているとしています。

これについて異例ながら日本を名指しして非難声明を出しているのはWHOです。
同様の声明は少なくとも今回で3回目なのですが、今回は強い表現となっており「若い女性が本来なら避けられるはずのHPVの脅威に暴露されている、『薄弱な根拠』に基づく政策決定は安全で効果的なワクチン使用を妨げ、結果として真の被害を招きうる」としています。
またWHOによると200万人以上を対象にフランスで行った調査を紹介した上で接種後に起こる有害事象(ここでは自己免疫疾患)について接種した人としていない人とでは有意な差はなく、日本の専門部会でも関連性を否定しているとして予防接種計画を遂行するよう求めています。

▼日本産科婦人科学会のホームページより
日本産科婦人科学会

また、日本産科婦人科学会は2015年8月に「子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)接種の勧奨再開を求める声明」を出しており、(有害事象について)その後の研究においてもこれらの症状とワクチン成分との因果関係を示す科学的・疫学的根拠は得られていませんとし、HPVワクチンの接種勧奨を早期に再開することを強く要望しています。(参考)


NPO法人「VPDを知って、子どもを守ろうの会」によると、子宮頸がんワクチンが原因で接種後失神する人がいるという例をあげ、これは「HPVワクチンが痛いというクチコミが接種した女子学生の中で広まっていた」として「失神の多くは注射を受ける前に緊張し、接種が終わってほっとして緊張がとれた時に起こります」と丁寧に説明しています。
さらに接種後に痛みを生じる事象は慢性疼痛だとして「HPVワクチンの接種後にのみ起こるものではありません。ほかのワクチンでも、献血や採血でも、その他の学校や家庭の生活上のことでも起こります」と説明しています。その上でワクチンが原因とする主張に対しては「ワクチンの成分(薬液)によるのではなく、注射をする行為によるものだと考えられています」とのことです。(参考