T-38

アメリカ空軍が採用している練習用航空機『T-38』を運用しているのですが、これに替わる次期ジェット訓練機の導入計画について、現行機を改修して運用する案が選定されたと報じられています。

US. Air Forceがパイロットの訓練用に使用しているジェット練習機「T-38C Talon」に代わる次世代ジェット練習機「T-X」コンペに関して、USAFは5日、Boeingによる既存のT-38の機体改修案を選定したことを発表した。

BusinessNewsline
これは日本の航空自衛隊が次期主力戦闘機を導入するようなコンペと同じものなのですが、記事によるとイタリアのアレーニア・アエルマッキ『M-346』、米ロッキード・マーティン『BAE ホーク』、韓国のKAI『T-50』が候補に上がっていたものの、現段階としては訓練機に用いられているT-38の改修とするという判断をしているとしています。もちろんこの判断は財政難で新規導入が難しいという理由もあるのですが、今回の判断は最終決定ではなく今後も「T-X」計画は続くともしているそうです。

改修案について、まずT-38Cのコックピットについて大幅な変更を行うとしておりアナログの計器類ではなく今後増えていくディスプレイ表示のデジタルコックピットに改修されるとしています。また機体構造も変更され最大で2029年まで機体寿命の延長を図るとしています。


練習機

練習機とは文字通りパイロットを目指す練習生が乗り込む機体で基本的に練習生と教官が前後や横に乗り込む複座型となっています。機体構造は練習生が行いがちな手荒い操縦でも耐えることができる頑丈な設計が取り入られており、旅客機のパイロットを目指す航空学校にも同様の機体が導入されています。

空軍については『初等練習機』、『高等練習機』など幾つか練習機が用いられています。ただ、今回のT-38については将来乗り込む戦闘機とほぼ同じ性能があることから日本など幾つかの国ではより安価な航空機を練習機に使用し、F-15DJといった2人乗り戦闘機を練習機として用いる場合もあるそうです。(参考)

ちなみにT-38についてはステルス戦闘機で知られるF-22と行った模擬格闘戦でF-22を撃墜することに成功しています。 (参考)