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フランスの航空機ベンチャーSagitaは従来のヘリコプターとは異なるターボエンジンの圧縮空気(排気ガス)でロータを回転させるという新方式のヘリコプターを開発しました。

仏航空機ベンチャーのSagitaは、ターボエンジンを使って圧縮した空気をローターの仕込んだタービンを回転させることでタービンに直結したローターを回転させるという新方式のヘリコプターを発表した。

BusinessNewsline


まず現在空を飛んでいる大半のヘリコプターは『ターボシャフトエンジン』によりローターを回転させています。ターボシャフトエンジン本体の構造は一般的な旅客機や戦闘機に搭載されているターボファンエンジンとほぼ同じです。
異なるのはタービン軸がエンジンの外にまで伸びておりエンジン後部で燃焼させた排気ガスを利用し軸を回転させ前方の圧縮機(下の写真では緑色の部分)を回転させている他、飛び出た軸からギヤを替えして最終的にローターを回転させています。ターボシャフトエンジンと似たような構造のものはセスナ機等に搭載されている『ターボプロップエンジン』があります。またこの手のエンジンに関してはガスタービン発電に似ており戦車、船の発電機としても利用されています。

▼一般的なヘリコプターにおけるターボシャフトエンジン。正面から入った空気は緑色の圧縮機により圧縮され燃焼します。排気ガスは黄色のタービンにより受け止めら回転力が発生します。この回転力はヘリコプターのローターを回転させている他、圧縮機の回転力も発生させています。
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ではSagitaが開発したヘリコプターと具体的にどのような構造の違いがあるのでしょうか。

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こちらがSagitaのヘリコプターです。機体後方から空気を取り入れ燃焼させ高温高圧の排ガスは機体内を通過し機体上部、ローターの付け根部分に送り込み排出するという方法です。そのまま排出するだけでは回転力は発生しないのですが、付け根の部分に羽のような物が複数付いておりこれによりローターの回転力を発生させています。

▼高温高圧の燃焼ガスが流れ込むローターの付け根部分
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同社によると従来のヘリコプターと比べシャフトやギヤを簡略化できるため製造コストやメンテナンスにかかるコストの削減ができるとしています。

動画では1/5スケールの試作機で2重反転を用いたローターにより離着陸と移動を行っています。今後フルスケールの試作機を開発を目指しているとのことなのですが、実用化はまだまだ先のようです。

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