アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)は、人間の脳に接続できるデバイスの開発を発表しました。計画によると脳とデバイス間の接続が可能になった場合、視力や聴力が拡張される他にも翻訳といった言語分野も大幅な能力向上見込まれるとのことです。
米国防高等研究計画局(DARPA)が、人と機械との間で高速通信する「脳-機械インターフェース(BMI)」デバイスの構想を発表しました。脳に埋め込むインプラント型デバイスで、人間とコンピューター間の情報のやり取りを飛躍的に高める「ニューラル・エンジニアリング・システム・デザイン(NESD)」計画の一部として研究されます。今回DARPAが目標にしているのは、脳と外部のコンピュータを接続できるというこれまでにないインターフェイスです。DARPAによると脳に埋め込まれるデバイスは1cm立法メートルほどの大きさで脳の100万ほどのニューロンに接続することでこれまでにない画期的な能力向上を見込めるとしています。
Engadget Japanese
具体的には例えば視力や聴力が失われた人は外部から入力した装置により高解像度の映像や高音質の音を直接送信することも可能としています。また手足が失われた人についてはこれまでは脳からの信号を読み取り手足を動かすという方法がとられていたものの、脳から直接信号を読み取ることで、まるで人間の手足のように動かし感覚さえも伝えることが可能だとしています。
今回これを主導しているのはDARPAということで、最終的には軍事利用に向けた人間とコンピュータ(兵器)との接続を目指すという考えがあることは明らかなのですが、 DARPAとしては民間医療にもこの技術を応用する考えで実用化の目処が立った場合、投資家に対しそのデバイスやインターフェイスの生産及び商業化の権利の一部を渡すともしています。
DARPAによると、NESD全体として4年で6000万ドル(約72億円)の投資を呼びかけており、この提案を行う会議が来月2~3日にかけバージニア州で開催するとのことです。