
現在商業衛星の打ち上げを多く行っている欧州宇宙機関(ESA)のロケット『アリアン5』というものがあるのですが、この後継機ロケットとなるアリアン6の設計が完了したと発表しているそうです。
エアバス・サフラン・ローンチャーズ社は1月28日、開発中の欧州の次世代ロケット「アリアン6」の設計が完了したと発表した。当初の予定通り、2020年の初打ち上げを目指す。
アリアン6は、現在欧州の主力ロケットとして活躍中の「アリアン5」の後継機で、アリアン5よりも打ち上げ能力を高めつつ、打ち上げコストを約半分にすることを目指している。
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アメリカやロシアが再使用を目的とした野心的なロケットを開発している一方、次世代ロケットとなるアリアン6はこれまでと同じ使い捨て型となりました。
構成自体は一般的なロケットとほぼ同じなのですが、コスト削減案として固体ロケットを多用することでこれを実現を目指すとしています。アリアン6は中央の第一段にヴァルカンと呼ばれる液体酸素と液体水素を燃焼させる液体ロケットエンジンを1本。2段目に同じく液体燃料エンジン。そしてロケット本体の両脇にP120という固体ロケットブースターを採用しました。
アリアン6は『アリアン62』、『アリアン64』という2つのタイプが開発され前者は固体ロケットブースターが2つ、後者は4つ搭載し必要に応じて打ち上げ能力を加減させることができます。
ロケットの性能は固体ロケットブースター4本構成のアリアン64で静止トランスファ軌道へ10.5トン、打ち上げコストについては予想として9,000万ユーロ(約117億円)で行えるとしており、2つの衛星を同時に打ち上げ1基あたり60億円ほどで行うとしています。
60億円についてはアメリカの民間企業スペースXファルコン9とほぼ同じか若干安いという価格です。ファルコン9については今後回収し再利用する方針が進められており、これが成功すれば使い捨てロケットのアリアン6では到底太刀打ち出来ない価格で打ち上げを行ってくることが予想されます。