近年注目されている小惑星の採掘事業についてルクセンブルク政府は同国に本社を置く衛星通信大手SESと共同で小惑星採掘企業の設立を計画していることが明らかになりました。
ルクセンブルク政府が近く、ルクセンブルクに本拠を置く通信衛星世界2位のSES社と共同で、小惑星から希少資源を採掘する宇宙資源企業を立ち上げの発表を予定していることが2日、ルクセンブルクのLuxemburger Wort紙の報道で明らかとなった。アメリカを中心に小惑星から金やプラチナといった希少資源を採取し地球に持ち帰るという事業を行おうと数社が名乗りを挙げているのですが、ルクセンブルク政府はどうやら国をあげて資源獲得を目指す計画があるとのことです。
BusinessNewsline
記事によると、この事業は政府とSES社という同国に本社を置く多国籍企業と共同で新会社を設立する計画で将来的に地球近傍小惑星を捕獲し金やプラチナ、そして燃料にしたり人間が使用する水を採掘するとしています。
同様の採掘についてはアメリカのディープ・スペース・インダストリーズ(DSi)やプラネタリー・リソーシズが知られており、DSiの過去の計画では今年にも小型衛星を打ち上げ複数ある小惑星から将来捕獲候補の小惑星を探すとしています。
▼ディープ・スペース・インダストリーズが構想する小惑星運搬船「HARVESTOR」
小惑星についてはモノによって直径500mのサイズがあれば地球上に存在する白金族金属とほぼおなじ量が含まれているとも言われており、例えば2015年7月に地球近傍を通過した小惑星『2011 UW-158』については日本円で650兆円にもなる貴金属(主にプラチナ)が含まれている可能性があるとも言われていました。
ただ、貴金属を含むM型小惑星は小惑星全体の1%にも満たないと言われており技術的に採掘が行えるかどうかも未知数となっています。また、採掘が行えたとしても地球に持って帰るにはスペースプレーンのような低コストで運用可能な宇宙船が必要になることから、学者を中心に数兆円にもなるという投資については不確実性が高いとも言われています。