RRV

国内メディアによると、ホリエモンで知られる堀江貴文氏が海外の民間宇宙飛行企業への投資で約56億円の被害にあい同社のCEOを訴える裁判をアメリカで起こしたと報じられています。

“ホリエモン”こと堀江貴文氏(43)が約56億円の現金をだまし取られたとして、米テキサス州で訴訟を起こしていたことが分かった。

週刊文春が入手した裁判資料によると、「本件は、民間の宇宙船マーケットで起きた詐欺」として、堀江氏がヒューストンの弁護士であるアート・ドゥラ氏らを訴えている。

Yahoo!ニュース
週刊文春が報じた内容として、とある民間宇宙飛行企業が今後行うとしている宇宙プログラムに堀江氏が投資していたのですが、開発された宇宙船が全く使用出来ないモックアップレベルのものだったということで訴訟を起こしているとのことです。

どのようなものなのか調べてみたところ、堀江氏が投資していたのは『エクスカリバー・アルマース』というマン島ダグラスに本社を置く企業で民間宇宙飛行を実施を予定している企業のようです。この会社のCEOは宇宙法のエキスパートで知られるアート・デューラ氏という人物です。

▼旧ソ連のTKS宇宙船
TKS宇宙船


エクスカリバー・アルマースの計画とは再使用型有人宇宙船『RRV』を使用し5日から一週間の宇宙旅行を行うというものになっています。使用される宇宙船は旧ソ連が開発したTKS宇宙船が元になっておりボールペンの先のような形状をしている先端付近の再突入カプセル『VA』と後部の与圧された基本機能モジュール『FGB』で構成されています。

そしてエクスカリバー・アルマースでは当時開発されたサリュートも使用した中期滞在型の宇宙旅行や月軌道へのフライバイも計画していたそうです。

▼エクスカリバー・アルマースの倉庫。こちらはソ連が開発した軍事及び民間目的に使用されたサリュート宇宙ステーション
TKS宇宙船 FGB

日経BPネットによるとデューラ氏が1990年にロシアのNPOマシノストロエニヤ社(当時、ソ連の宇宙ステーション計画に参加していた)と仕事をすることになった時に、再突入カプセルVAが放置されているのを見つけロシア人に「これは飛行可能なのか」と聞いたところ「できる」と答えたことが今の宇宙旅行計画に繋がっているとしています。この時の再突入カプセルVAについてはその後アメリカに移動されワシントンD.C.のスミソニアン航空宇宙博物館に展示されています。

ただ、記事に書かれている『宇宙船が展示以外に使えない“ポンコツ”であることが判明』ということについて、どうやらスミソニアン航空宇宙博物館に展示されている再突入カプセルVAではなく、これを元にエクスカリバー・アルマース開発を進めていたRRVのことになると考えられます。
またエクスカリバー・アルマースは再使用型有人宇宙船『RRV』を使用した宇宙旅行を2013年にも開始すると発表していたものの現在も延期されており具体的な目処は経っていないそうです。

▼エクスカリバー・アルマースで公開されているイメージ。形状からTKS宇宙船(RRV仕様)とサリュート宇宙ステーションがドッキングしています。
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記事だけでは一体何がどうなっているのかさっぱり分からないのですが、同社は再使用型有人宇宙船『RRV』が再利用宇宙船だ云々と何回も使える口にしているのですがその後部の基本機能モジュールは完全使い捨てでありドッキングして使用するようなものでもないのでかなり高コストの宇宙旅行になることが想像できます。

▼こちらは旧ソ連時代のイメージ画像。先端にTKS宇宙船、その後部にサリュート(7号と書かれている)、その後部にはソユーズ宇宙船がドッキングしています。
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