核融合という次世代技術からエネルギーを得ようと各国で研究が進められているのですが、中国の研究施設では超高温のプラズマを102秒閉じ込めることに成功したと発表しています。
中国科学院は3日、1月28日にトカマク型核融合実験炉「Experimental Advanced Superconducting Tokamak(EAST)」で行った実験で、102秒間のプラズマ閉じ込めに成功したことを発表した。現在核融合炉は『磁場閉じ込め方式』と『慣性閉じ込め方式』の2つの方式があります。前者は超電導コイルを使用し超高温のプラズマを閉じ込める方式で、後者はレーザーを一点に集中させ重水素を超高温・超高圧の状態にし核融合を発生させる方式です。
BusinessNewsline
今回の合肥物質科学研究院に属する等離子體物理研究所が運用しているトカマク型核融合実験炉は『磁場閉じ込め方式』になります。
▼トカマク型核融合炉の内部
中国科学院によると今回の試験ではプラズマを102秒閉じ込めることに成功し温度は5億keVおよそ5,000万度のプラズマに達したとしています。将来的には10億keVおよそ1.16億度に上昇させプラズマを1,000秒閉じ込める最終目標を掲げています。
EAST (内部ではHT-7Uよも呼ばれている)は2001年に着工し2006年3月に完成。研究施設では核融合発電を実現するための基礎研究が行われてます。
核融合反応についての安全性については反応そのものに極めて高度なプラズマの制御技術を必要としており、原子炉のように停電や機器の故障で暴走するようなことは発生しません。核融合反応により炉材料そものが放射化するものの扱いが容易な低レベル放射性廃棄物で原子炉のように大量の高レベル放射性廃棄物は発生しないとのことです。