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「暴力的なゲームの影響で暴力的な子供が・・・」などというフレーズをテレビで耳にすることがありますが、イギリス人を対象に行った長期の研究によるとこの手のゲームと子供の性格に変化は生じないと報じられています。

1991年から1992年にかけて生まれた1,800人の子どもに対する長期調査で、8歳のころに暴力的なゲームで遊ぶとその後の攻撃的行動やうつ的な傾向につながる可能性はあるかが分析された。

WIRED.jp
『親と子どもに関するエイヴォン長期研究』というテーマで行われたのは、幼い頃にプレイしていたゲーム内容で成長した時にどのような性格になるのか、またうつ的な傾向はどうなるのかを調査したものです。

記事によるとこの研究では1991年から92年に生まれた1万4,000人の子どもを対象に、8~9歳になった2400人、そして15歳になった5000人(両方回答した人は1,800人)にアンケート調査を行ったというものです。結果、8~9歳頃に暴力的なゲームをプレイしていた子どもたちが、その後行為障害的な状態(ざっと反社会的行動のこと)を見せる可能性はわずかだけ上昇したものの、その上昇は統計上有意の境界線上にある程度で影響はほぼ無いと結論付けられているそうです。

同様の研究はこれまでも何度も行われ、結果ゲームと子供の性格には影響は生じないことが確認されています。例えば2013年、アメリカで発生した銃乱射事件を背景にオバマ大統領らの判断により暴力的なゲームや映画と子供の影響を調査するため11億円の予算を投じ疾病予防管理センター(CDC)が研究・調査を行ったことがあります。
結果は今回のものとほぼおなじ内容となっており、過去の犯罪と現在の犯罪を調べた結果については戦争や犯罪行為を行うゲームや映画は近年増える続けているにも関わらず一方で暴力事件が減少していることもわかっています。


『暴力的なゲーム』と言ってもジャンルは様々でゲーム内で一般市民を殺害できてしまうタイトルは数えるほどしか発売されていません。
つまり『暴力的なゲーム』とは言っても中身を開いてみればプレイヤーが極悪キャラクターを倒したり、他には単純に見方チームを勝利に導くため相手プレイヤーと戦う(争う)というものが大半であり、問題視される現実の凶悪な少年犯罪やアメリカ独特の銃犯罪とはそもそも方向性が異なっているという点は理解する必要があります。