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公共交通で特定の年齢等の方に対し割引を行ったり無料出ることができるとサービスを行っていることがありますよね。韓国ではソウルをめぐる地下鉄でも実施されているのですが、先日無賃枠の利用者が合計1億人を突破したと報じられています。

2016年2月15日、韓国・ニューシスによると、韓国では満65歳以上の高齢者、障害者、国家功労者、6歳以下の子どもは無料で公共交通機関を利用できるのだが、こうした「無賃乗車」の延べ人数が、ソウル地下鉄5〜8号線で1億人を超えたことが分かった。

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ソウル地下鉄は現在1~9路線あり、今回の1億人という数値はあくまで5~8の3路線の数になります。この報道について韓国では「無料じゃなくて、せめて半額を負担してもらうようにしてはどうだろう」 「そろそろ、高齢者の無賃乗車基準を70歳以上に変更するべきではないか?」 などと声が多く寄せられたと報じられています。

ソウル市によるとソウル地下鉄の経営状態について9路線中7路線が赤字になっていると昨年11月に発表しています。赤字規模については2014年には4245億ウォン(約452億8000万円)となり2015年1月~7月のデータでは602億ウォン(約170億8000万円)。赤字の原因は無賃で公共交通機関を利用できる枠にあるとソウル市側が説明しています。

具体的どのくらいの人が無賃枠を利用しているのかについては地下鉄5〜8号線の例として開通以来利用した全乗客の14.8%になったとしています。これを運賃に換算すると約1260億ウォン(約118億円)で無賃利用者の内訳は1日あたりの平均として満65歳以上の高齢者が21万4000人(77.7%)、障害者5万7000人(22.8%)、国家功労者4000人(1.5%)とのことです。

ちなみに、ソウル市が昨年国会議員に提出した資料としてソウル地下鉄1〜8号線の無賃輸送コストは1年で3154億ウォン(約300億円)に達しており、純損失額の84.5%を占める金額になっていることも明らかになっています。 (参考)