オーストラリアは老朽化した潜水艦の更新にあたり後継機として日本を含むいつくかの国の潜水艦の購入計画を進めているのですが、これについて中国側は「アジアの対日感情を考慮するべきだ」などと発言していることが明らかになりました。
2016年2月18日、ロイター通信によると、中国の王毅(ワン・イー)外相は日仏独が受注を争うオーストラリアの次期潜水艦計画について、豪政府にアジアの対日感情を考慮するよう促した。
Record China
元駐日中国大使で日本語が堪能という中国の王毅外相は、オーストラリアと日本の軍事的なつながりが強化されることについて、王外相は訪問先のオーストラリアで「オーストラリアが日本と軍事協力を進める際には、第二次世界大戦における日本とアジア諸国との歴史背景を十分に考慮することを期待する」などと述べていると報じられています。
日本とオーストラリアは2007年に日豪安保共同宣言が署名され、現在事実上の準同盟でありこれは唯一の同盟国であるアメリカ以外ではオーストラリアが戦後初となっています。
その上でオーストラリア政府は老朽化したコリンズ型潜水艦6隻の更新として外国潜水艦を購入する計画を進めており現在、日本を含むいくつかの国の潜水艦を候補にあげています。対象となっているのは通常動力の潜水艦としては世界最大の排水量のある「そうりゅう型」で仮にこれが選定された場合さらに軍事的なつながりが強化されるとして中国が警戒しているだけの話になります。
つまり、中国側は過去の出来事を引っ張りだす以外打つ手は無いということなのですがその場にいたビショップ外相も「オーストラリアはドイツとも日本とも第二次世界大戦の歴史背景については何年も前に決着している」として受け入れられないとする発言をしています。
オーストラリアは排他的経済水域(EEZ)がアメリカに次ぐ世界第2位の約9万平方kmで、この面積は日本(7位)の約2倍以上の広さです。そうりゅう型潜水艦の導入をオーストラリアが選定した場合の受注額は183億米ドル、約2兆円規模になるとされています。