
中国では毎年冬の時期になると深刻化する大気汚染について郊外から空気を送り込むことでこれを解決しようという計画が報じられています。
中国・北京市が、深刻な大気汚染の解決策として、市内に「風の通路」を複数建設しスモッグを吹き飛ばすことを計画していることに、市民などから疑問の声が上がっている。中国国営の新華社通信によると北京市都市計画委員会の王飛(ワン・フェイ)副主任が発表した案として、大気汚染が深刻化する北京市について郊外から汚染されていない空気を市内に送り込む「風の通路」を複数設けるという計画があると報じています。
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具体的にどのような計画なのかは不明なのですが、王副主任によると風の通路は南北に伸びる地上通路だとしており幅500m規模のものを5つ、幅80m規模を複数設けるとしています。
風の通路については2014年7月、北京で行われた都市環境国際学術シンポジウムでその建設計画が明らかになり同年末に関連する研究結果が発表されるとしていました。具体的にどのような研究結果が報告されたのかは分からないのですが、今回報じられた内容によるとこのような規模の風の通路となりました。
▼マンハッタンにあるセントラル・パーク(長さ4km、幅800m)

通路に関しては風通しの良い道路、公園、緑地、または空き地をつなぐものとしているのですが、ニューヨークにあるようなセントラル・パークよりも幅は狭いものの、その規模を考えると今の都市にどのようにしてつくり上げるのか、大規模な再開発と立ち退きが問題になってきそうです。
また北京市では大気汚染以外の問題も解消する目的として首都圏を機能を郊外に移す案が昨年出され2017年末を目標に北京市党委員会と市政府、さらに市人民代表大会、市政治協商会議(市政協)という市の4大機構がすべて通州区に移すことが決定しています。