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人工衛星の中には主に敵国を偵察する軍事衛星というものがあります。その姿や性能は公になることはまずないのですが、オランダのとある天文ファンは極秘軍事衛星の撮影に成功したと発表しているそうです。

地球の軌道上を回っている多数の人工衛星の中には軍事目的で使用されているものがあり、その中でも望遠レンズ付きのカメラや電波などを用いて地表の様子を観察する人工衛星は偵察衛星(スパイ衛星)と呼ばれています。スパイ衛星というだけあって、衛星本体の詳細な姿をおさめた映像や画像はほとんど残されていないのですが、Ralf Vandeberghさんはアメリカのスパイ衛星「KH-12」の高解像度撮影に成功しました。

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ウィキペディアにも名前が載っているという一部の人間には有名だというオランダ人のRalf Vandeberghさん。彼は一般的な天体以外に航空宇宙の人工物を撮影するということも行っておりその中には極秘の軍事衛星も含まれているという世界でも数少ない天文ファンです。

彼がこれまで撮影に成功したものとして紹介されているのは『KH-12』という1990年代、アメリカのロッキード・マーティンが開発し打ち上げられた軍事衛星です。記事によるとこの軍事衛星は質量は10トン以上あると考えられ、Ralf Vandeberghさんの観測によると地上330km程度という国際宇宙ステーションよりも低い低軌道に投入されているそうです。

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こちらが2010年に撮影したKH-12(左)です。右はとある関係者が作った軍事衛星のモデル画像になります。彼はこれ以外にも国際宇宙ステーションで船外活動する宇宙飛行士やスペースシャトルなど数々の衛星作品を公開しています。

▼国際宇宙ステーションとランデブーするJAXAのHTV(こうのとり)
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▼Ralf Vandeberghさんと天体望遠鏡
Ralf Vandebergh
Ralf Vandeberghさん

どのようにして人工衛星を撮影しているのかについては予想でしかないのですが、まず夜明けか日没のどちらかの時間帯で行っていると考えられます。また低軌道を周回しているものであれば観測可能な時間はわずか数分。飛行機よりも高速で移動して見えるので手動で捉えるのはほぼ不可能です。そのため、あらかじめ軌道を予想し赤道儀に入力しておく設定しておく必要があるのですが、この軌道をどのようにして導き出しているのかは全く不明です。

天体望遠鏡を使用し人工衛星を撮影するという取り組みは他にも報じられたことがあり、例えばロシアでは60cmの光学望遠鏡を使用しアメリカの軍事衛星を撮影したものがあり、アメリカの市民科学教育センターにある直径63.5cmの望遠鏡を使用したものでは国際宇宙ステーションの鮮明な撮影に成功しています。

▼米マサチューセッツ州、市民科学教育センター保有の直径63.5cmの望遠鏡を使用したISSの撮影
ISS
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