グーグルやフェイスブックなどのIT大手企業でも導入されつつあるというスタンディングデスク。文字通り立った状態で仕事をするというものなのですが、実は健康によいなどという身体的な影響については研究内容が乏しく証明されるには至っていないそうです。
スタンディングデスクは「健康にいいもの」として人気が高まっているが、実は健康にいいとは言いきれないのかもしれない。今回発表された論文は『スタンディングデスクに関連する研究』についてその研究内容をあらためて検証するというものになっているそうです。
スタンディングデスク、あるいはペダリングマシンやランニングマシンを備えたデスクなど、仕事場で座っている時間を減らすための手段に関する、最も質の高い研究20件を厳密に調べた結論は、「普通の机の前に座る場合よりもこれらの代替手段が優れている」と言えるほど十分なデータはどこにも見当たらないというものだった。
WIRED.jp
まずわかったこととして調査された論文20件について総被験者数はわずか2,174人で、客観的に治療効果を評価することを目的とした研究試験『ランダム化比較試験』が行われたものは数件。さらに実験が行われた後の追跡調査も最大6ヶ月に過ぎなかったとしています。
またスタンディングデスク関連の研究の多くは時流に乗って行われたものに過ぎず、いずれも健康によいことを証明してはいないことがわかったとしています。
その上で「座っても立っても使える机は、仕事の能率や各種の疾患に大きな影響を与えるとはいえない。立った状態でもエネルギー消費はほとんど増えないため、立つことによって座ることの弊害を回復できるかどうかは依然として不確かである」とまとめているそうです。
ちなみに、 『椅子に座る時間が長ければ長いほど寿命が縮まる』などとする研究が報告されていましたが一方で5,132人の習慣を16年間にわたって追跡調査したものでは長時間座る生活を続けたとしても必ずしも寿命が縮むとは言えないという研究も報告されています。
結局のところ食習慣や日頃の運動の有無の方が健康に与える影響は大きいということになりそうです。