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ファルコン9によって打ち上げられた膨張式モジュール『BEAM』について今後、国際宇宙ステーションに接続されるのですが実は宇宙飛行士の“入室”は限定的になると発表されているそうです。

アメリカのフロリダ州から打ち上げられたドラゴン補給船の非与圧トランクに搭載されたのはビゲロー・エアロスペースが開発したBEAM(Bigelow Expandable Activity Module)と呼ばれるモジュールです。日本語では『ビゲロー膨張式活動モジュール』というもので文字通り、国際宇宙ステーションに接続後に空気が入れられゴム風船のように膨張するという全く新しいモジュールです。



ただ、このモジュールは宇宙飛行士が自由に使えるというものではなく基本的にハッチを閉じた状態で運用され、試験など必要なときに限り内部に入って調査を行うという方向で使用されるそうです。

具体的な試験内容については今後2年間接続され、空気漏れは無いかは当然なのですが室内の温度変化や地上とは比べ物にならないくらい多い放射線量、そして長期間の運用でも耐えうる強度を持っているかが中心に調べられます。

膨張式モジュールの今後は

ビゲロー膨張式活動モジュールは2年の試験が行われた後、切り離され地球に落とされ処分されます。もちろんこの処分の方法も試験の一つになると考えられるのですが、実はこのモジュールは将来的に様々な場面で使用されることが計画されています。

▼火星へ向かう宇宙船に搭載された膨張式モジュール(先端の白い部分)
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その一つはアメリカが計画している火星有人探査における居住モジュールとして使用するというものです。他にはビゲロー・エアロスペースは体積がBEAMの20倍ある『BA330』、131倍ある『BA2100』などの開発を発表しており将来的には宇宙空間でステーションを建設する以外も月や火星など衛星や惑星の地表で使用できるモジュールの開発を進めています。

「2年の試験結果で今後の居住モジュールの形が決まる」と言うと大げさですが、大きな可能性を秘めた新モジュールに注目していきたいと思います。