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中国公営テレビによると、中国の国家機密を国外のスパイ組織に提供したという疑いで逮捕されていた男について先日死刑判決が下されたと報じています。

Record Chinaによると中国の国営テレビ局CCTVが報じた内容として、2011年に逮捕された黄宇(ホアン・ユー)被告について、先日死刑判決が言い渡されたと報じています。

国外のスパイ組織に国家機密を漏えいした男に死刑判決―中国 - Record China

記事によると黄宇被告は現在41歳で、中国のパスワードを研究開発する部署で働いていたものの28歳の時に解雇されていたといいます。CCTVによると被告は当時解雇されたことに不満を持ち何らかの方法で外国のスパイ組織と接触。15万件あまりの資料を売り70万ドル(約7600万円)の報酬を得ていたとしています。また資料の中には国家機密が1674件、90件あまりの極秘国家機密も含まれていたとのことです。内容は政府、軍、金融など複数に渡っていたとしています。 合わせて被告の妻は5年、兄弟についても3年の懲役も合わせて言い渡されました。

解雇された理由に元同僚という人物によると社交的ではなく勤務態度に手に負えない問題があったとしており、入社後3つの部門に移動させられていたとのことです。

外国へのスパイ行為は称賛する中国

今回は自国の機密を他国に売り渡していたとして死刑が言い渡されましたが、実は中国は外国に対するスパイ行為について国営紙が称賛しているという実態も明らかになっています。

中国国営英字紙『環球時報』は先月、社説として米軍事機密にハッキングし訴追された中国人ス・ビン(Su Bin)被告について「われわれは、わが国のために尽くした彼に対し、感謝と敬意を喜んで表しよう」などと述べています。
この中国人はボーイングをはじめロッキード・マーティンのF-22やF-35などの設計図を入手しようとアメリカでスパイ行為を行っていたことを認めています。社説では加えて「火薬のない秘密の戦場で、中国は、米国から機密情報を収集する特殊工作員が必要だ」などと主張しています。(参考)