肥満動脈塞栓法_1

様々な病気の原因となる肥満について、主に食事制限や場合によっては胃の一部を切除するという治療方法がとられる場合があるのですが、最新の治療方法として極小ビーズを胃の血管に注入するという方法が始まっているそうです。

ぜい肉を落とすための新しい方法が登場した。食欲を抑え、持続可能な体重減少に導く迅速で簡単な治療になることが期待されている。

この方法は、食欲を増進させるホルモンであるグレリンを放出する胃の部位につながる血管に、血流を制限する小さなビーズを注入するというものだ。

WIRED.jp
肥満治療として最新の治療方法の一つとして「Bariatric Arterial Embolization(BAE)」(肥満動脈塞栓法)というのがあり海外で臨床試験がおこなわれその結果が報告されているそうです。

この研究はアメリカのマウントサイナイ医科大学とジョンズ・ホプキンス大学は共同で行っているもので記事によると、BAEはお腹を開いて胃を手術するという方法ではなく手首、もしくは足の血管からカテーテルを挿入し胃まで到達。その後胃の上部の血管を極小ビーズで塞ぐことで食欲(空腹感)を抑えるという方法です。実は胃の上部は食欲を増幅させるグレリンというホルモンを放出しており、ここの部位にあたる血管を塞ぐことでグレリンを抑え結果的に肥満を解消させよというものです。

▼臨床試験と肥満動脈塞栓法による手術
肥満動脈塞栓法_2

気になる臨場試験結果は被験者となった7人は術後2週間で食欲が大幅に減ったと報告しており、3ヶ月後に行った検査では血液中のグレリンの量が17.5%ほど少なくなっていたといいます。結果的に、術後6ヶ月後の体重は平均で13.3%減となっており、短期間または中期間で体重を大幅に削減することができたとし、肥満患者支援にBAEは効果的だとする結論に至ったとしています。

米国保健社会福祉省によると、アメリカ人における成人の3分の2以上が肥満としており、高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中、および癌を引き起こすとしています。現在肥満治療には食事、運動、薬物治療、そして手術が行われています。

海外メディアによると、BAEは一般的には手首の動脈からカテーテルを挿入する方法がとられるとしており、理由としては太ももの鼠径部にある大腿動脈から入れるよりもリスクが小さく出血や痛みも少ない他、術後の回復具合が早く、手首ということで早期に歩行できるようになるとしています。
今後の研究では一般的な胃の手術と比べどのくらい効果的か(金銭面も含む)を被験者を増やし調査していくとしています。