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アメリカではシェール革命により天然ガスと原油の資源大国に変貌したのですが、一方でシェールガス採掘に伴い大量のメタンガスが放出されている可能性があると研究結果が報告されています。

ミシガン大学からなる研究チームによると、2010年移行大気中におけるエタン濃度がが上昇していることについてアメリカ国内で行われるようになったシェールガス採掘が原因とする研究論文を発表しているそうです。

2010年以降増大している大気中のエタンガス、シェールガス採掘が原因の可能性・研究者が論文発表 - BusinessNewsline

この研究を共同で行ったアメリカ海洋大気庁(NOAA)によるとエタンガスの濃度分布を観測するため国内有数のシェールガス田地域バッケンエリア(モンタナ州・ノースダコタ州)の大気を収集した結果、シェールガス田上空では際立ってエタン濃度が高くなっていたことがわかったとしています。

記事によると、エタンは1980年代以降から環境規制が強化されたこともあり、自然に分解されるなどして年々減少傾向が示されていたそうです。しかし、2010年代に入るとその傾向が逆転し急上昇し始め研究者の間でも原因が分からず様々な説が提唱されていたといいます。

▼アメリカ ワイオミング州におけるシェールガス採掘現場
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また過去にはシェールガス田から放出されているのはエタンだけではなく米大学が行った研究によると、大量のメタンも放出されていることが明らかになっており従来想定されていた量の100~1000倍になっていると報告されています。メタンもエタンガスは温室効果ガスと知られており地球温暖化係数(大気中における100年間の温室効果の強さ)では二酸化炭素を1とした場合、ガスの種類にもよるものの25~71倍の温室効果があるとされています。

シェールガスはメタン・エタン・プロパン・ブタン・ベンゼンが主成分となっており、カセットボンベに使用するガスや都市ガスだけにつかわれているのかと思いきや実はそうではなく、ポリカーボネートやポリエチレン、ゴム製品についてもこのようなガスの化学反応を経て製造されているそうです。