AW609

イタリアのアグスタウェストランドが開発している民間ティルトローター機『AW609』について、試験機となる3号機が完成し地上試験が実施されたと報じられています。

イタリアの航空大手アグスタウェストランドが現在単独開発している(元はボーイングとベル・ヘリコプターと共同開発していた)ティルトローター機『AW609』について3機目となる試作機が完成し先日陸上にて試験飛行が実施したと発表しているそうです。

AgustaWestland: 民生版ティルトローター機「AW609」の飛行試験を再開 - BusinessNewsline

AW609はボーイングとベル・ヘリコプターが同じく開発したV-22 オスプレイを活かし民間機として1996年から開発を開始し2003年に初飛行している機体です。その後ボーイングが抜けアグスタウェストランドと共同開発になったもののベル社が抜け現在はアグスタウェストランドが中心となり開発が進められています。

このようなこともあり開発が遅れているのですが現在2018年までにアメリカ連邦航空局の形式証明取得を目指すため完成した3号機はアメリカペンシルベニア州に送られ今年中に初飛行を行うとしています。また同社によると現在80機あまりの受注があるとしているのですが納期は早くても2019年になると考えられます。



AW609はローターの角度を変えることでヘリコプターのように垂直上昇ができ、ある程度の速度に達したら一般的な航空機のように前方に向け水平飛行ができるティルトローター機です。同機はオスプレイとは異なり機内が与圧されており高高度飛行できる他、機体胴体は一般的なビジネスジェット機のようなサイズ形状になっており9つの乗客席を設けています。

機体性能としては地上7.6km(25000フィート)を約510km/h(275ノット)で巡航飛行でき航続距離は1,850km(1,000ノーティカルマイル)となっています。機体価格は約20億円とされており東京―小笠原間であれば船で25時間30分かかるところを2時間20分あまりでつなぐことができるとしています。