東日本大震災以降、原発事故を受けドイツは再生可能エネルギーによる発電比率を高める政策を続けていますが、先日ドイツ国内では生産された電力の95%がこの再生可能エネルギーになったと報じられています。
ドイツで8日午前11時、ソーラー発電、風力発電、水力発電、バイオマス発電を合計した再生エネルギーによる発電量が一時的に57.8 GWに達し、電力総需要量の95%に達したことが判った。国内で生産されている電力の30%が再生可能エネルギーとなっているドイツ。これはEU内でも比較的高い割合になっているのですが、今月8日午前11時に国内の全再生可能エネルギーによる発電電力量が電力総需要量の95%に達したことが分かったとしています。
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実はこの日、ドイツ全土が晴天で比較的強い風が吹くという気象条件が重なったことで変動が大きいというソーラー発電及び風力発電が影響したことを受け一時的にこのような割合に達したとしています。ドイツでは2015年8月に瞬間的に80%に達しています。
ドイツでは国内で生産される電力について2050年を目処に再生可能エネルギーの比率を50%にする目標を立てているのですが、一方で問題となるのは発電量が管内の消費電力量を上回るという供給過剰という問題です。これを防ぐためにドイツでは電気自動車に導入されている使用済みのリチウムイオンバッテリーを再利用する蓄電施設が計画されるなど供給過剰対策に乗り出しているのですが、建設コストやリチウムイオン電池が高価なこともありこれまで導入された例はアメリカなど数例しかないとしています。
再生可能エネルギーの普及する一方で供給過剰により交流電力の周波数上昇を招き管内が停電するという事態が今後考えられるのですが、解決策としては上記のように二次電池に蓄電する方法や風力発電では出力調整し過剰分を切り捨てるという案が現在考えられています。