
高度な情報処理能力と防空能力そして指揮システムを搭載しているイージス艦がありますが、アメリカ軍は海外にこのシステムをそっくりそのまま地上に設置するというイージス・アショアを建設したそうです。
米海軍はルーマニアにあるDeveselu空軍基地に設置した弾道ミサイル迎撃システムの映像を初めて公開した。このシステムは海軍のイージス艦(Aegis)に搭載されているレーダーおよび迎撃用ミサイルポッドをそのまま、地上基地化した「イージス・アショア(Aegis Ashore)」と呼ばれているもので、いわば、陸上固定基地版イージス艦とも呼べるものとなる。イージス・アショアという施設が建設されたのはルーマニアのデベセル軍用飛行場です。この飛行場は現在建設中の空軍基地とのことなのですが、ここに米軍はイージス艦の防空システムとなるレーダーやミサイルを地上に設置しました。
BusinessNewsline
デベセル軍用飛行場(建設中)
記事によると建設したのは米海軍としており、イージス・アショアは実際のイージス艦に近い独特の艦橋が設けられレーダーのサイズや形状、表面の塗装までもほぼ同じとなっており、近くにはスタンダード・ミサイル3(SM-3)を発射する垂直発射システム(VLS)が12基あるとしています。

アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦(イージス艦)であれは導入コストは1隻あたり1,300億円とされているのですが、イージス・アショアであれば魚雷やソナーといった対潜水艦装備を搭載する必要はなく、海上で想定される脅威について大幅に削減も可能のようで米軍の発表として146億円あまりで建設できたとしています。
米軍によるとルーマニアのイージス・アショアは中東からの弾道ミサイル発射を無力化するために使用するためと発表しており、今後ロシアからの弾道ミサイルを無力化するためにポーランド北東部に同じような施設の建設が予定されているとのことです。
ちなみに同施設を運用するのは空軍ではなくイージスシステムということで米海軍が行うとのことです。

