最近は一般人も操縦することができるドローンが注目されていますが、一方米海軍は潜水艦に対し無人機を展開する能力に関して研究をすすめていると報じられています。
以前にも水中で長期間待機できるドローンをご紹介しましたが、すでにその有用性には軍関係者も目をつけていたようです。アメリカ海軍は複数の小型ドローンを導入し、海中などの水中から空中に射出する新たなプランがあると海外メディアが報じています。今回報じられたのは潜水艦から空中に展開できるという小型の無人偵察機『Blackwing』という機体です。記事によると、僅か3インチ(7.62cm)の穴から展開可能だとしており、ドローンにはカメラや赤外線センサー、GPS、通信ユニットを搭載し1時間以上飛び回ることができるとしています。
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合わせてリチャード海軍少将は「これはパワーポイント上の計画などではなく、さらに現行の計画に加えて21インチの魚雷発射管を無人機の射出に使うこともできる」などと将来の展開を発表しています。
この手の『潜水艦発射型ドローン』について報じられたことは過去に何度かあり例えば2009年6月に報じられた無人航空機「XFC (eXperimental Fuel Cell) 」という航空機です。この航空機は米海軍研究所(NRL)が開発したもので当時、何のために開発されていたのか特に報じられてはいなかったのですが2013年12月5日、NRLはロサンゼルス級原子力潜水艦の32番艦プロビデンスを用いてXFCの展開に成功したと発表しました。
XFCはシーロビンと呼ばれており原潜の魚雷発射艦からキャニスターに収められた状態で浮上。海上に浮かび上がったのち垂直に飛び出し空中に展開するという方法で試験が行われたとされています。
今回の『Blackwing』も同じような潜水艦発射型ドローンという位置づけなのですが、小型化している一方、画像からはキャニスターには収められずそのまま海上に打ち上げられ空中展開するという方法が取られていると考えられます。
XFCがその後どうなったのか、実戦配備されたのかについては報じられたことはないのですが「150の小型無人航空機を導入する予定だ」などと語っていることを考えるとこの手の研究は進んでいると見てよさそうです。米海軍によるとアメリカ特殊作戦軍(USSOCOM)の一部としてBlackwingシステムを開発しているとも発表しています。