
最近の若い人であれば見たことがない人も多いと思われるフロッピーディスク。当時の使い方としては今のUSBメモリーやSDカードといったものになるのですが、なんと米軍では初期の8インチフロッピーディスクを使用していることが明らかになりました。
【5月26日 AFP】米軍の核兵器運用部門が、いまだに1970年代に開発された8インチのフロッピーディスクを使用していることが、米政府監査院(GAO)が25日に発表した報告書で明らかになった。報告書は、米政府機関の多くで既に時代遅れとなった「レガシーシステム」が使用されており、早急な新システムの導入が必要だと指摘している。米国防総省によると初期のフロッピーディスク規格となる8インチフロッピーディスクが未だに現役なのは大陸間弾道ミサイル、戦略爆撃機、空中給油・支援機など一連の核兵器を運用、調整する指揮統制系統だとしており、現場では今から40年前に発売された8インチフロッピーディスクが運用に用いられているといいます。
AFPBB News
その理由について米国防総省報道官は「簡単に言えば現在も機能しているため」とし「老朽化が懸念されていることから2017年末までにフロッピーディスク・ドライブをSDカードリーダーに置き換える予定だ」と説明しているそうです。
▼弾道ミサイル発射管制センターで撮影された写真。8インチフロッピーディスクが使用されている。

Who's minding the nukes? - CBS News
8インチフロッピーディスクやその周りのハードウェア、ソフトウェアは極めてな重要な核兵器の運用に関するものであり、私達がデスクワークや家庭のパソコンを買い換えるのとは訳がちがいます。疑問なのはこの手の装置をそう簡単にSDカードリーダーに置き換えることができるのかという点です。当然ハードウェアの互換性の問題が出てくることは間違いないのですが、ここにも莫大な費用がかかることが予想できます。
問題を指摘した米政府監査院によると米軍内ではシステムの交換を2020年末までに置き換える計画が進められているのですが昨年度におけるこの手のコンピュータに関する開発や整備、最新化にかかった経費は合計で804億ドル、約8兆8000億円と実に日本の国防予算の1.6倍に匹敵する額となっているとのことです。