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アメリカの民間宇宙開発ベンチャー、スペースXは本日行われたファルコン9ロケットの発射について第一段ロケットの洋上着陸に成功したと発表しています。今回の成功は前回、前々回に引き続き3回連続の成功であり地上を含め4回目の着陸成功になります。

アメリカのスペースXによると日本時間今月28日午前6時40分頃、通信衛星「THAICOM-8」(タイ)を載せた強化型のファルコン9 フルスラストを打ち上げ、これに成功したと発表しています。また合わせて実施された無人着陸船への第一段ロケットの着陸試験も成功したとのことです。

ファルコン9は2015年12月22日に地上に設けられた着陸場に初めて軟着陸に成功しました。その後2016年4月8日、5月6日、そして5月28日とおよそ2ヶ月あまりの期間に3回の打ち上げを実施し、洋上に展開した無人着陸にて着陸試験を行い連続成功させています。



今回の着陸試験(洋上)について過去の発射と比較するとこのようになります。

第一段ロケット燃焼終了時の高度と飛行速度(目安)
高度
1回目…70km
2回目…64km
3回目…67km

飛行速度
1回目…6,600km/h
2回目…8,200km/h
3回目…8,300km/h

また1回目は高度750km、軌道傾斜角52度の低軌道、2回目・3回目は高度36,000kmの静止トランスファ軌道(GTO)に人工衛星を送り込んでいます。

▼第一段に搭載されたオンボードカメラ映像(早送り)


日本のH-IIAロケットとファルコン9 v1.1 フルスラストの性能を比較した場合、打ち上げ能力は低軌道へH-IIAが10トン(補助4基15トン)に対しファルコン9は22トン(使い捨て型)。静止トランスファ軌道へH-IIAは4トン(補助4基6トン)、ファルコン9は8.3トン(再利用型で5.3トン)となっており性能はファルコン9の方が高くなっています。

また打ち上げ費用に関してもH-IIAは85~120億円でファルコン9は約66億円程度とされています。ファルコン9については着陸したロケットの再利用を行うため試験を続けており仮に再利用ができた場合の打ち上げ費用は最大で1/100程度になると主張しています。